室内で育てているフィカス・アルテシマが上の方の葉っぱが無くなってヒョロヒョロな感じになりました…綺麗に形を整えたいのでフィカス・アルテシマの正しい剪定方法について教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『フィカス・アルテシマの剪定方法』ということで、フィカス・アルテシマに必要な剪定方法や剪定時期、また剪定をしないとどうなってしまうのか?などフィカス・アルテシマの剪定にまつわるエピソードなどを解説していきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、フィカス・アルテシマの剪定に必要な知識や剪定方法が分かるようになり、フィカス・アルテシマの樹形をあなた好みの樹形に仕立てることが出来ます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、フィカス・アルテシマの剪定を覚える上で一番大切なポイントは剪定前の事前準備です。剪定をして新芽を出させるにはエネルギーが必要です。エネルギーが足りないと芽数が少なかったり、最悪枯れてしまうこともありますので注意してください。
フィカス・アルテシマの綺麗な樹形を整えるためにも定期的な剪定を行い、成長をしっかり管理しましょう。
『フィカス・アルテシマの樹形を綺麗にしたい方』や『フィカス・アルテシマの剪定方法がわからない』とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
なぜ剪定が必要なのか?
そもそもフィカス・アルテシマってなぜ剪定が必要なのでしょうか?
基本的にフィカス・アルテシマは生長スピードがとても早く、放置しているとすぐに姿が乱れてしまいます。インテリアグリーンとして楽しむなら、すっきりとした樹形を保ちたいですよね。
まずはフィカス・アルテシマの剪定方法を見ていく前に、剪定が必要な理由についてしっかり把握してみましょう。
枝分かれさせるため
そもそもフィカス・アルテシマは枝分かれしない植物です。
多くの植物は、幹が伸びて枝を出し新芽が生えます。しかし、フィカス・アルテシマは、幹となる枝がひたすらにまっすぐ伸び続ける傾向が強いのです。
したがって枝分かれしないフィカス・アルテシマを枝分かれさせたいなら剪定が必要です。幹を切ることで、先端を伸ばすために溜まっていた栄養は、剪定した部分に溜まります。
剪定された部分で植物活性が起こり、成長点が刺激され、新しい枝が1本~3本ほど出てきます。そのため、枝分かれさせたい場合は、剪定を行う必要があるのです。
病害虫の被害拡大を防ぐため
フィカス・アルテシマは生長スピードが早いため、放置するとあっという間に葉や枝が伸び放題になります。そうなると風通しや日当たりが悪くなり、病害虫が発生しやすくなって、最終的に枯れてしまうことがあります。
またフィカス・アルテシマに発生しやすい病害虫は、ハダニやカイガラムシがあります。こういった害虫がついてしまうと、葉に黒い斑点の出るスス病を発症することがありますので、害虫を発見したらすぐに駆除しましょう。
ハダニは殺虫剤で駆除できますが、カイガラムシは成虫だと殺虫剤がききにくいため、いらなくなった歯ブラシなどでこそげ落とすのがいいでしょう。
これらの病害虫を予防するには風通しをよくして日光を当てることです。そのためには、剪定が重要な役割を果たすのです。
生育不良をリセットするため
剪定は生育不良をリセットする役割もあります。フィカス・アルテシマを育てていると、枝先が枯れてきたり葉色が悪くなってきたりすることもあるでしょう。
生育不良になったら、状態の悪い枝や葉を剪定してください。状態が悪い部分を剪定して取り除くだけで、他の枝葉に影響を与える可能性を下げられます。
また、剪定を行うことで幹や枝の切り口の下から新しい枝が伸びて、よりボリュームよく育つことがあります。状態が悪い枝葉は、早めに剪定してリセットすると植物にとって好影響です。
フィカス・アルテシマを暗い場所に置いて、間延びして形が悪くなった場合は、葉を数枚残して思い切って幹や枝を短く剪定するのも効果的です。剪定する幹や枝の根元の節をわずかに残してすべて切り落とします。
その後、日当たりのよい明るい窓際に置いておくと、節から新芽が出てきて間延びした姿をリセットすることが可能です。
フィカス・アルテシマの剪定時期
フィカス・アルテシマの剪定時期は4月~9月です。気温の上がる時期であれば生育が活発なので、すぐに新芽も出てきて剪定の傷みも少なくて済みます。
もし4月~9月でも枝葉に勢いのない状態なら剪定しない方が良いです。根傷みや根腐れ、葉焼けなどによってフィカス・アルテシマが元気がない状態で、剪定すると枯れる恐れがあります。状態を悪い部分を切る程度であれば問題ないですが、枝を出すために健康的な幹を切らないようにしてください。
かくいう私も、伸びすぎたフィカス・ウンベラータを12月に短く剪定して枯らした経験があります。新芽は出ずに、切り口から枯れ込んでいきました。
私のようにせっかくの観葉植物を枯らさないためにも、必ず4月~9月の暖かい時期に剪定するようにしましょう。
剪定前の事前準備
剪定前にできるだけフィカス・アルテシマのエネルギーを強くしていた方がよいです。
剪定をして新芽を出させるにはエネルギーが必要です。フィカス・アルテシマのエネルギーが弱いと芽数が少なかったり、最悪枯れてしまうこともあります。そうならないように以下の事前準備を行うようにしましょう。
- 1ヶ月前くらいから外に出して日光に当てる
- 肥料を与える
ただし、とても暗い場所からいきなり外に出したり、根っこが痛んでいる状態で強い肥料を与えると逆にダメージになってフィカス・アルテシマのエネルギーが落ちることもあるので注意してください。
フィカス・アルテシマの剪定方法
フィカス・アルテシマの剪定の手順を解説します
仕上がりのイメージをする
全体のバランスを見ながら、どのような樹形にしたいかをイメージします。
基本的には上にボリュームを出し、下にいくほど絞るような樹形にすると格好良くなります。
幹や枝を長く残してしまうと、頂点部分の節から新しい枝が伸びて、形が不格好になりやすいです。剪定後に枝が伸びることも考えて短めに剪定すると、その後の形がよくなります。
不要な枝を切り落とす
フィカス・アルテシマに傷んだ枝や徒長して伸びすぎている枝、枯れた枝などがあれば切り落としてください。
次のような枝葉を優先的に切ってください。
- 徒長(間延び)している枝
- 内向きに伸びている枝
- 枯れた枝葉
- 重なっている枝葉
- 黄色くなった古い葉
これらの枝は、今後伸びてくる新しい枝の邪魔になります。また、風通しを悪くして病害虫発生の原因にもなるので注意しましょう。
節が残るように剪定する
剪定の際は、節が残るように切ってください。節とは植物の葉が生えた後であり、成長点が存在する場所です。
葉が生えている場所には、まだ節ができていない場合もありますが、時間が経つと薄く横線が入って節になります。この節の部分から新芽が出てくるので、伸びてほしい部分の節を残さないと、狙った位置から枝は伸びてこないので、気を付けましょう。
フィカス・アルテシマの剪定位置
フィカス・アルテシマを剪定するときに気をつけたいのが、剪定位置です。
剪定位置は葉の付け根の5㎜~1㎝上で切るとよいとされています。
しかし、それは見た目の問題であり、ぎりぎりで剪定すると、剪定部分からの枯れ込みによって、葉の付け根の成長点まで枯れる恐れが高いです。
剪定部分からの枯れ込みを考えて余白を持たせるように5㎝上で切ると安心です。また病気の予防のため、切り口は癒合剤で保護しましょう。
よくあるトラブルと対処法
フィカス・アルテシマを剪定した後に発生しがちなトラブルとその対処法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
剪定後に枝が出てこない
フィカス・アルテシマの剪定後に枝が出ないのは、「日当たり不足」「温度不足」が考えられます。
剪定時期が適切にもかかわらず、新芽が出てこなければ、管理している場所が暗いのかもしれません。明るい場所に移動させてください。
室内の窓際だと、光の当たり方が偏るため、新芽が出てこない場合があります。定期的に、鉢を回して幹や枝に均等に光が当たるようにすると、バランスよく新芽が伸びてきます。
気温が下がる秋以降に剪定する場合は、温度不足によって枝が出てこない可能性があります。もし、冬に剪定する場合は、常に15~20℃程度の温度を維持できる環境にしてください。
剪定後にしっかりした枝を出したい方は、適切な剪定時期を守ることがとても重要です。
関連記事→【必読】フィカス・アルテシマの育て方【光沢がある美しい斑入りの葉がインテリアに大人気!!】
剪定に失敗した時の対処法
フィカス・アルテシマの剪定に失敗した時の対処法は、できるだけ日当たりのよい環境で育ててあげることが重要です。
剪定後の姿が大きい場合は短く剪定し直せばよいですが、短く剪定しすぎた場合は簡単に元の姿に戻せません。
新芽がきちんと出てくるように、日当たりのよい環境で温度や水やり、肥料に気を付けて育ててください。新芽が出てくれば、安心してフィカス・アルテシマを育てることができます。
その後は、出てきた新芽をどのように伸ばして育てるのかを考えましょう。
まとめ:剪定をしてフィカス・アルテシマの成長を守ろう!!
というわけで、【必見】フィカス・アルテシマの剪定方法【剪定時期や剪定位置、剪定がなぜ必要なのかを徹底解説!!】を書いてきました。
この記事で解説した『フィカス・アルテシマの剪定方法』を実践してもらうと、フィカス・アルテシマの樹形をあなた好みの樹形に仕立てることが出来ます。
もう1度確認しましょう。
【なぜ剪定が必要なのか?】
1、枝分かれさせるため
2、害虫の被害拡大を防ぐため
3、生育不良をリセットするため
【フィカス・アルテシマの剪定時期】
1、剪定時期は4月~9月、気温の上がる時期であれば剪定の傷みも少なく済む
2、元気がない状態で、剪定すると枯れる恐れがある
【剪定前の事前準備】
1、剪定前にフィカス・アルテシマのエネルギーを蓄えておくこと
2、1ヶ月前くらいから外で日光に当てながら、肥料を与えておくこと
【フィカス・アルテシマの剪定方法】
1、仕上がりのイメージをする
2、不要な枝を切り落とす
3、節が残るように剪定する
【フィカス・アルテシマの剪定位置】
1、剪定部分からの枯れ込みを考えて5㎝上で切る
2、葉や枝の付け根を気にせず剪定を行うと新芽が出づらくなる
【よくあるトラブルと対処法】
1、剪定後に枝が出ない場合は、明るく暖かい場所で管理すること
2、剪定に失敗したら、とにかく明るい場所で新芽の生育を促すこと
以上がフィカス・アルテシマの剪定に関するポイントになります。
基本的に注意することはフィカス・アルテシマの剪定前の事前準備です。剪定をして新芽を出させるにはエネルギーが必要です。エネルギーが足りないと芽数が少なかったり、最悪枯れてしまうこともありますので注意してください。
ひとたびフィカス・アルテシマの剪定を覚えてしまえば、翌年もフィカス・アルテシマが立派に成長していく姿を見ることができますし、他の観葉植物にも活かすことができます。
フィカス・アルテシマを剪定することはをガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。