室内でガジュマルを育てているんだけど、剪定を行ってからガジュマルの枝から新芽が出てこなくなりました。なかなか新芽が出てこないので困っています。ガジュマルの正しい剪定について教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『ガジュマルの剪定方法』ということで、ガジュマルを育てる上で必要な剪定方法、またガジュマルを剪定する際の注意点などガジュマルの剪定にまつわるエピソードを解説していきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、ガジュマルに必要な剪定方法や剪定時期が分かるようになり、お気に入りのガジュマルが枯れることなく、あなたのお部屋を明るく彩るのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、ガジュマルの剪定を行う上で注意すべき点は剪定位置です。
ガジュマルは成長が早く大きくなりやすいため、定期的な剪定が欠かせません。ガジュマルの新芽や枝が伸びることによって、いびつな形になることがあります。バランスをみながら枝葉を剪定すると、美しい樹形を保てるでしょう。
また、飾る場所にあった高さやボリュームに剪定してあげることで、常に美しいガジュマルを楽しむことができます。
ただし、剪定の方法を間違えると新芽が出てこない可能性があります。毎年ガジュマルのワイルドな樹形を楽しむためには、正しい剪定方法を覚えておきましょう。
「ガジュマルが思ったより大きくなって困っている」「ガジュマルの新芽が出てこなくなってしまった」とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
なぜ剪定が必要なのか?
生育期の5月~10月にガジュマルは、枝をぐんぐん伸ばします。枝が伸びると高さも出て、葉のボリュームも増えますが、伸びすぎると今度は見た目や生育が悪くなる可能性があります。
剪定という作業は、ガジュマルや他の植物にとって非常に大きな役割を担っているのです。
そもそもガジュマルはなぜ剪定しなければならないのでしょうか。剪定する理由は大きく3つあります。詳しくみていきましょう。
樹形を整える
ガジュマルの剪定は、美観を整える目的があります。生育期の5月以降は、新芽や枝が伸びやすくガジュマルの形が崩れやすいためです。
ガジュマルの新芽や枝が伸びることによって、いびつな形になることがあります。バランスをみながら枝葉を剪定すると、美しい樹形を保てるでしょう。
また、飾る場所にあった高さやボリュームに剪定してあげることで、常に美しいガジュマルを楽しむことができます。ガジュマルは幹から気根を出す植物です。
気根を伸ばしてワイルドな姿を楽しんでもよいですが、もし見た目として気になる場合は剪定しても生育には問題ないので安心してください。
害虫を防ぐ
ガジュマルの剪定は病害虫を予防する効果があります。枝葉が密集して風通しが悪くなると、病気や害虫の発生につながるためです。
枝葉が茂り過ぎたら、密集している枝や重なり合った葉を優先的に剪定します。全体のバランスを見ながら、美観を損ねないように剪定することがポイントです。
茂った枝葉の中まで風や光が通るようになると、病気の原因になる菌が滞留することもなく、害虫も発見しやすくなるでしょう。病害虫は発見が遅くなるほど、症状が深刻になるので、剪定を行うことは重要です。
生育不良をリセットする
剪定は生育不良をリセットする役割もあります。ガジュマルを育てていると、枝先が枯れてきたり葉色が悪くなってきたりすることもあるでしょう。
生育不良になったら、状態の悪い葉を剪定してください。状態が悪い部分を剪定して取り除くだけで、他の枝葉に悪影響を与える可能性を下げられます。
また、剪定した幹や枝の切り口の下から新しい枝が伸びて、よりボリュームよく育つことも多いです。状態が悪い枝葉は、早めに剪定してリセットすることをおすすめします。
ガジュマルを暗い場所に置き、間延びして形が悪くなった場合は、葉を数枚残して思い切って枝を短く剪定するのもアリです。剪定する枝の根元の節をわずかに残してすべて切り落とします。
その後、日当たりのよい明るい窓際に置いておくと、節から新芽が出てきて間延びした姿をリセットすることが可能です。
ガジュマルの剪定時期
ガジュマルを剪定する上で適切な時期について見ていきましょう。ふさわしい剪定の時期と方法は、樹木ごとに異なります。
健康的に育てるためには、ガジュマルの特性を知った上で適切なタイミングで剪定を行うことが大切なのです。
5〜9月までに剪定を済ませる
ガジュマルの剪定時期は5月~9月です。気温の上がる時期であれば生育が活発なので、すぐに新芽も出てきて剪定の傷みも少なくて済みます。
気温が下がり始める10月以降の剪定には注意してください。気温が低いと生育が緩慢になり、剪定してもすぐに新芽が出ずに切り口から枯れる恐れがあるためです。
もし気温の下がる秋以降に剪定する場合は、最低温度が15℃以上をキープした状態にしてください。暖房を付けたり消したりする環境では、剪定を行わないようにしましょう。
ガジュマルの剪定位置
ガジュマルを剪定する理由が分かっていても、剪定する位置を間違ってしまうと新芽が出てこないこともあります。
健康的に育てるためには、ガジュマルの正しい剪定位置を知った上で適切なタイミングで剪定を行うことが大切なのです。
成長点を残す
ガジュマルの枝を剪定する場合は、成長点を残して切ることがポイントです。ガジュマルの枝には、成長点と呼ばれる部分があります。
枝の節部分にある膨らみのことであり、その部分から新芽が出てくるので、節部分を残して剪定してください。成長点を残さずに剪定すると、新芽が出ない可能性が高いので注意します。
節部分にふくらみがない場合もありますが、剪定後に節部分が膨らんで新芽が出てくるので、安心してください。
ただし、木の幹のように木質化している枝は新芽が出にくいので、若く太い枝の節を残すとよいでしょう。小さなガジュマルは、ぷっくり膨らんだ根元から枝が出てきているような状態だと思います。
その場合は、根元に枝を少し残したような形で剪定すると、枝の節目や根元からたくさんの新芽が伸びてきます。
ガジュマルの剪定方法
ガジュマルの剪定方法には大事な手順があります。剪定後のお手入れも大切な作業の一つです。正しいお手入れ方法について学び、上手に育てるコツを学んでいきましょう。
剪定位置を確認する
全体のバランスを見ながら、ガジュマルの枝の節を確認して短めに剪定してください。枝葉が密集している部分を風通しがよくなるように剪定します。
枝を長く残してしまうと、頂点部分の節から新しい枝が伸びて、形が不格好になりやすいです。剪定後に枝が伸びることも考えて短めに剪定すると、その後の形がよくなります。
切り口に癒合剤を付ける
節のやや上で切って、切り口に癒合剤を付けることで、剪定後の枯れ込みも少なくなるでしょう。ただし、癒合剤をつけるのは、樹液が止まった後です。
樹液が流れ続けているときに、癒合剤を塗っても流されたり、上手に塗ることができなかったりします。
樹液が止まるのを待っているままでは枝葉が汚れるので、あらかじめティッシュと輪ゴムを準備しておきましょう。
切り口をティッシュで包み、輪ゴムで止めておくことで、枝葉や床にこぼれることもありません。
剪定に関する注意点
ガジュマルを剪定をするにはいくつかポイントを押さえましょう。
間違った剪定をすると木が弱ったり、新芽が出てこないといったトラブルを招いてしまうのです。ガジュマルを健康に美しく育てるための剪定のポイントをお伝えします。
雨の日に剪定しない
雨の日にガジュマルを剪定することはおすすめできません。雨が降って湿度の高い時期は、切り口も乾かず病原菌が付着しやすいので、剪定後に枯れ込む恐れがあります。
晴れた日であれば、空気中の湿度も低く病原菌が切り口に付着することも少ないです。安心して育てられるように、晴れた日に剪定を行いましょう。
筆者が園芸店時代の時のお客様は、「梅雨の長雨時期にガジュマルを剪定したら、剪定した枝先から黒く枯れてきた」と話されていました。これは、剪定した断面に病原菌が付着した可能性があります。
剪定はさみが切れ味がよく、清潔であることも大事ですが、晴れた日に剪定をすることも剪定後の生育に重要なポイントです。
樹液に触れない
ガジュマルの白い樹液にはラテックスが含まれています。白い樹液に触れると肌が荒れる可能性があるので、手袋をして触れないように気を付けてください。
もし、触った場合は流水でしっかりと洗い流しましょう。ラテックスアレルギーを持っている方は、特に注意して剪定してください。
剪定時期を守る
ガジュマルの剪定で最も気をつけるべきことはやはり「剪定時期」です。新芽ができたあとに剪定してしまうと、間違って新芽を切り落としてしまう恐れがあります。
また、真夏や真冬に剪定してしまうと木が負担に耐え切れずに枯れてしまう可能性があります。
より健康的な新芽を翌年以降も付けるために、剪定時期は守るようにしましょう。
まとめ:正しい剪定でガジュマルの樹形を整えよう
というわけで、【重要】ガジュマルの剪定方法【成長点に注意するだけで失敗しない剪定が可能!?】を書いてきました。
この記事で解説した『ガジュマルの剪定方法』を実践してもらうと、ガジュマルを育てる上で必要な剪定方法が分かるようになり、ガジュマルの樹形を綺麗にすることができるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【なぜ剪定が必要なのか?】
1、成長が早いガジュマルの樹形を整えるため
2、ガジュマルの風通しを良くし、害虫の発生を防ぐため
3、ガジュマルの生育不良をリセットするため
【ガジュマルの剪定時期】
1、ガジュマルの剪定は5月~9月が最適
2、気温の下がる秋以降に剪定する場合は、最低温度が15℃以上をキープした状態で行う
【ガジュマルの剪定位置】
1、成長点とは枝の節部分にある膨らみであり、その部分から新芽が出てくる
2、成長点を残さずに剪定すると、新芽が出ない可能性が高くなる
【ガジュマルの剪定方法】
1、全体のバランスを見ながら、ガジュマルの枝の節を確認して短めに剪定する
2、枝葉が密集している部分を風通しがよくなるように剪定する
3、節のやや上で切って、剪定後の枯れ込み防止のため切り口に癒合剤を付ける
4、癒合剤をつけるのは、樹液が止まった後に行う
【剪定に関する注意点】
1、雨が降って湿度の高い時期は、切り口が乾かず病原菌が付着しやすい
2、白い樹液に触れると肌が荒れる可能性があるので、手袋をして触れないように気を付ける
以上がガジュマルの剪定に関するポイントになります。
基本的に注意することは剪定位置になります。
ガジュマルは成長が早く大きくなりやすいため、定期的な剪定が欠かせません。飾る場所にあった高さやボリュームに剪定してあげることで、常に美しいガジュマルを楽しむことができますが、剪定の方法を間違えると新芽が出てこない可能性があります。
ガジュマルの枝を剪定する場合は、成長点を残して切ることがポイントです。ガジュマルの枝には、成長点と呼ばれる部分があります。
枝の節部分にある膨らみのことであり、その部分から新芽が出てくるので、節部分を残して剪定しましょう。成長点を残さずに剪定すると、新芽が出ない可能性が高いのでくれぐれも注意しましょう。
ひとたびガジュマルの剪定を覚えてしまえば、翌年もガジュマルの立派な樹形や新芽を見ることができますし、他の観葉植物や樹木にも活かすことができます。
ガジュマルを育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。