ガジュマルを購入しましたが、お家に置いていたらガジュマルの元気がなくなって萎れてしまいました…ガジュマルの最適な置き場所と元気に育てる管理の方法について教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『ガジュマルの育て方』ということで、ガジュマルを元気に育てる上で、最適な置き場所や鉢植えが長持ちするコツをお伝えしていきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、ガジュマルが元気に育つための最適な置き場所やガジュマルが長持ちする管理方法が分かるようになり、ご自宅のガジュマルが明るく室内を彩ってくれるのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、ガジュマルを元気に育てるために注意すべき点は水やりと置き場所です。
ガジュマルが好む環境は日当たりと風通しが良い場所です。そのためあまりにも植物が密集している場所や室内などは避けるようにしましょう。
また、ガジュマルが枯れる原因として、水やりの加減が考えられます。常に土が湿っているようにと毎日水やりしたり、受け皿に水を溜めたりすると、根腐れで枯れる可能性が高いです。
しかし、土が乾燥しているのにも関わらず水やりをしていないと、葉が黄色くなってパラパラと落ちて枯れてしまいます。土の乾燥具合を確認しながら、適切に水やりを行うことが重要です。
ガジュマルが好む環境を意識しながら置く場所を選ぶことがガジュマルを育てる上で大切なポイントになります。大切なガジュマルを長く楽しむために、正しい管理方法を覚えておきましょう。
「ガジュマルがすぐ元気がなくなってしまう」「ガジュマルを長く楽しむための育て方が分からない」とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
ガジュマルってどんな植物?
「多幸の木」といわれるガジュマルは、人気の観葉植物のひとつです。
沖縄では「キジムナー」という精霊が宿っていると言われ、とても縁起が良いとされています。「幸せのお裾分け」として幅広い年齢層にも人気で贈りものとして喜ばれています。
熱帯地方が原産
ガジュマルはクワ科イチジク属の観葉植物で、台湾、マレーシアなどの東南アジアや、インドからオーストラリアなどの熱帯~亜熱帯地域に幅広く自生しています。日本では屋久島以南、沖縄周辺に自生しています。
自生地の平均気温は約20~30℃と年間を通して温暖で、湿度が高いのが特徴です。また日照時間が長く、台風やスコールなど季節によってまとまった雨が降ります。
そのため、ガジュマルは暖かい環境で管理し、季節に合わせたメリハリのある水やりをして育てていきましょう。
特徴的な根っこ
自生地では20mを超える大きさになることもありますが、生長はゆっくりなので大きくなるまでにかなりの時間が掛かります。
がっしりと生えている大根のような幹は「気根(きこん)」と呼ばれる根っこです。気根から上に向かって伸びていきます。曲がり仕立てや根上がりの盆栽風に仕立てたおしゃれな株も出回っています。
関連記事→【検証】ガジュマルを太くする方法【幹を太くすることは可能なのか?太くするコツをご紹介します】
ガジュマルの花言葉
ガジュマルの花言葉は「たくさんの幸せ」「健康」です。
「たくさんの幸せ」という花言葉は、御神木として古くから親しまれていることや、人々の幸せを願うようなガジュマルのスタイルから付けられたと言われています。
「健康」という花言葉は、ガジュマルの生命力や力強さ、丈夫で育てやすさからと考えられています。
ガジュマルの育て方
ガジュマルは、初めて植物をお部屋に迎える方にも育てやすい植物ですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、ガジュマルの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。
ガジュマルの置き場所
ガジュマルは温暖な場所を好み、寒さには弱い植物です。
屋外で生育している場合も、最低気温が10℃を下回る10月〜11月には、屋内で育てるようにしましょう。また、屋内の気温も、5℃以下にならないよう、注意が必要です。特に、窓辺は気温が下がりやすいため、特に寒い季節は窓辺から少し離した場所で育てることをおすすめします。
【屋外で管理する場合】
春から秋にかけては、屋外での生育も可能です。しかし、長時間直射日光に当たることで葉の色が変色する「葉焼け」と言う現象を起こしやすくなってしまいます。日光が当たり続ける日向、特に西日が当たる場所を避けることでより綺麗な状態を保つ事が可能です。
日陰が少ない場合には遮光ネットを使用すると簡単に日陰を作ることができ、植物にとってよりよい環境を整えられます。
ガジュマルは暖かい気温を好むため、冬場は屋外ではなく屋内で育てましょう。冬場屋内で育てた後、徐々に日光に慣らすことでまた屋外での飼育が可能となります。
【屋内で管理する場合】
ガジュマルは屋内でも元気に育つ植物です。耐陰性は比較的高い植物ではありますが、とはいえ日光を好むゴムの木の仲間です。 そのため、できるだけ窓辺の日が当たる場所に置くことをおすすめします。
あまりにも室内の日当たりが悪い場合は、植物専用のLEDライトを使用するようにしましょう。
ただし、直射日光は葉焼けの原因となりますので、レースカーテン等を利用し、光の量を調節すると健康的な状態を長持ちさせることができます。また、湿度が高い場所を好むため、エアコンの風が直接当たる場所は避けるようにしましょう。
ガジュマルを育てる上で、風通しの良さも大切なポイントです。できるだけ風通しの良い場所を選びましょう。風通しが悪いと、虫がつきやすくなったり、水やりをした後に上手く水が乾かず、根が腐ってしまう原因となるので注意しましょう。
ガジュマルの水やり
高温多湿な場所に適しているガジュマルですが、水のやりすぎによる根腐れに注意が必要です。
根腐れとは、根が腐ってしまう現象のことで、原因は様々ありますが、水の与えすぎが大きな要因の1つです。
ガジュマルは太い幹や根に水分をためているため、比較的乾燥に強い植物です。土を指で触ってみて、中まで乾燥していることを確かめてから、水をあげるようにしましょう。
水やりは鉢底から溢れるまでたっぷりと水をあげることが基本です。夏場の水やりは、日中の暑さで根にダメージを与えないよう、できるだけ早朝か夕方以降に行ってください。冬場のガジュマルは休眠期間にはいるため、土の中が乾いてから2~3日後に水やりをすることをおすすめします。置き場や環境にもよりますが、2週間に1回程度でも十分です。
植物を育てていると、水やりのペースがつかめるようになってきます。慣れるまでは、水やりのタイミングが目で見てわかる、水やりチェッカーを使ってみるのもおすすめです。
関連記事→【重要】観葉植物の水やりの基本【室内で育てる場合の水やりの頻度やコツをマスターしよう!!】
ガジュマルの肥料
ガジュマルは肥料がなくても問題なく生育ができます。よりたくましく成長させたいなら「緩効性肥料」を与えるといいです。
「緩効性肥料」とは丸い粒状の固形のもので、土の上に振りかけてあとは普段のお水やりで次第に溶けていきます。
効果は1ヶ月前後続くので、春夏の成長期に一緒にあげるとよく育ちます。ガジュマルをより大きく成長させたい人は試してみるといいでしょう。
栄養を必要としない休眠期の冬は、根が傷むことがあるため肥料を与える必要はありません。
肥料は毎年、毎回、必要というわけではないですが、鉢植えで育てる場合は、鉢の中の栄養素に限りがあるので植物の様子を見て与えるようにしましょう。
関連記事→【検証】観葉植物の肥料の使い方【種類や使い方など状況ごとのおすすめな肥料をご紹介します】
ガジュマルの剪定
剪定とは、植物の伸びすぎた枝や葉、幹を切ることで植物の形を整えるだけではなく、病気や害虫の予防、そして余分な部分が無くなることで養分を適切に行き渡らせることができ、生長の促進に繋がる重要な作業です。
ガジュマルの剪定は5〜7月の間に行うことをおすすめします。特に5月はガジュマルが成長をスタートするタイミング。植物にも大きな負担がかかるこの作業はできる限り植物が元気な時期に行いましょう。
剪定した切り口から白い樹液が出ます。皮膚に付くと痒みかぶれなどの症状を引き起こす可能性があるため、剪定は手袋を装着し行うことをおすすめします。
また、剪定後数日間は、植物がダメージを受けていますので、できるだけ直射日光の当たらない場所に置きましょう。
関連記事→【重要】ガジュマルの剪定方法【成長点に注意するだけで失敗しない剪定が可能!?】
ガジュマルの植え替え
ガジュマルは一般的に、2〜3年に1回程度を目安に植え替えが必要になります。以下は植え替えが必要なサインです。
- 鉢底から根が出ている
- 水はけが悪くなってきた
- 葉がよく落ちる
植え替えに適した時期は5〜9月頃で、できれば5〜6月に行えると最適です。
寒い季節に植え替えをするとガジュマルに負担がかかってしまうため、秋や冬の植え替えは避けてください。
また、水やり後は根や茎がやわらかくなり、ダメージを受けやすい状態になるため、植え替え前の1週間程度は水やりを控えてあげましょう。
ガジュマルのよくあるトラブルと対処法
初心者でも育てやすいガジュマルですが、もちろんトラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れとは、植物の根が腐った状態のことです。根腐れは根の先端部分から徐々に腐っていき、放置すると、幹が株元から腐って枯れていきます。
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根本が柔らかい
根腐れの対処法は、鉢を入れ替えて土の環境を変えること。
傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。
根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すように古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。
根詰まりは、以下の症状が見られます。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとガジュマルに悪影響です。
根詰まりの対処法は植え替えをすること。
ガジュマルを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けとは、日光の当たりすぎによって葉の色が変色してしまう症状です。
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
葉焼けの対処法は、直射日光を避けて遮光すること。
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
ハダニ
ハダニは繁殖力の強さと、薬剤耐性を持つとても厄介な害虫です。
ハダニが発生すると以下の症状が起きます。
- 葉にクモの巣のような糸がついている
- 葉の裏に小さな虫がついている
- 葉に斑点や傷がある
放っておくと糸を張って大量発生する危険性もあるので、早めに対処を行いましょう。
ハダニの対処法はハダニに効果のある液体を噴霧すること。
ハダニが湧いてしまったら、市販の殺虫剤(ベニカファインスプレー・オルトラン)を使用するのが効果的です。2倍に薄めた牛乳などの液体を噴霧する対処法もありますが、匂いが気になる方には水で洗い流す方法もおすすめです。
そもそもハダニは、こまめな霧吹き・葉をふき取りきれいにすることを怠らなければ発生しません。
常にきれいな状態を保つために、霧吹きの購入は必須といえます。月に一度はシャワーで洗い流すなどの管理も必要です。
ガジュマルのよくある質問
最後に、ガジュマルの育て方に関してよくある質問とその答えを紹介します。ガジュマルを育てていく上で同じ現象が起こった場合に参考にしてみてください。
葉が黄色くなる原因は?
ガジュマルの葉が黄色くなってボロボロ落ちる原因は日当たり不足、水の過不足、寒さが考えられます。
ガジュマルは日当たりを好む植物なので、暗い場所では葉が黄色くなって落ちることがあります。明るい窓際で管理してください。土が常に湿っているように水をやり過ぎると根腐れします。根腐れすると、水や養分を吸収することができずに、葉が黄色くなって落ちるので注意してください。
また、水切れの状態が長く続いたり何度も水切れさせたりしても、同様の症状が出ます。ガジュマルの水やりは適切に行いましょう。
ガジュマルは寒さに弱い植物なので、なるべく暖かい環境で管理することがポイントです。最低でも5℃以上をキープすると葉が落ちにくいです。
葉がすべて落ちたら枯れる?
ガジュマルの葉がすべて落ちても、枯れない場合があります。寒さや水切れによって、一時的に葉を落とすことがあるためです。
ガジュマルは寒さに弱い植物なので、5℃以下の低温や霜雪に当たると、葉が黒や茶色に変色し、ボロボロと落ちてきます。すぐに暖かい環境に移動させて管理しておくと、新芽が出てくるので安心してください。
ただし、0℃以下の寒さや霜雪にあたり続けると、復活できずに枯れるので注意が必要です。水切れも同様に気を付ける必要があります。
すぐに水やりを行えば新芽が出てきますが、土を乾燥させたままであれば、いずれ枯れてしまいます。適切な水やりを行いましょう。
葉がパリパリになる原因は?
葉がパリパリになって落ちるのは、水不足、根詰まりが考えられます。
土が乾燥しすぎると、根から水分を吸収することができず、葉に水分を供給することができません。結果的に、葉の水分が減ってパリパリの葉になり、落ちてしまいます。
水切れを起こさないように、適切に水やりをしながら、葉水も行うと葉がパリパリになることを防ぐことが可能です。
また、ガジュマルを長年植え替えていない場合も、気を付けましょう。根詰まりすると、水や養分を吸収しにくくなり、水だけでなく養分も葉に届きにくくなるためです。
葉に水分が届かなければ、パリパリになってしまうので、2年に1回を目安に植え替えを行ってください。
まとめ:正しい管理でガジュマルを元気に育てよう
というわけで、【人気】ガジュマルの育て方【水やりを簡単にするコツや最適な置き場所など徹底解説!!】を書いてきました。
この記事で解説した『ガジュマルの育て方』を実践してもらうと、ガジュマルを翌年も元気な姿で楽しむことができるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【ガジュマルってどんな植物?】
1、クワ科イチジク属の観葉植物で、熱帯~亜熱帯地域に幅広く自生している
2、気根と呼ばれる大根のような幹が特徴的
3、ガジュマルの花言葉は「たくさんの幸せ」「健康」
【ガジュマルの育て方】
1、暖かく風通しの良い場所であれば屋外、屋内どちらでも育てることが可能
2、ガジュマルは暖かい気温を好むため、冬場は屋外ではなく屋内で育てる
3、水のやりすぎによる根腐れに注意する
4、春から夏の生長期に緩効性肥料をあげるとよく育つ
5、ガジュマルの剪定は生育期の5~7月の間に行う
6、2~3年に1回、生育期の5~9月ごろに植え替えを行う
【ガジュマルのよくあるトラブルと対処法】
1、水のやり過ぎによる根腐れに注意する
2、根腐れの対処法は、鉢を入れ替えて土の環境を変えること
3、成長期による根詰まりに注意する
4、根詰まりの対処法は1つ上の大きい鉢に植え替えること
5、日光の当たりすぎによる葉焼けに注意する
6、葉焼けの対処法は、直射日光を避けて遮光すること
7、生育期のハダニの発生に注意する
8、ハダニの対処法は、ハダニに効果のある液体を噴霧すること
【ガジュマルのよくある質問】
1、葉が黄色くなってボロボロ落ちる原因は日当たり不足、水の過不足、寒さが原因
2、ガジュマルは寒さや水切れによって、一時的に葉を落とすことがある
3、0℃以下の寒さや霜雪にあたり続けると、復活できずに枯れるので注意が必要
4、葉がパリパリになって落ちるのは、水不足、根詰まりが原因
5、水やりをしながら、葉水も行うと葉がパリパリになることを防ぐことが可能
以上がガジュマルの育て方に関するポイントになります。
ガジュマルを元気に育てるために注意すべき点は水やりと置き場所です。
ガジュマルが好む環境は日当たりと風通しが良い場所です。そのためあまりにも植物が密集している場所や室内などは避けるようにしましょう。
また、ガジュマルが枯れる原因として、水やりの加減が考えられます。常に土が湿っているようにと毎日水やりしたり、受け皿に水を溜めたりすると、根腐れで枯れる可能性が高いです。
しかし、土が乾燥しているのにも関わらず水やりをしていないと、葉が黄色くなってパラパラと落ちて枯れてしまいます。土の乾燥具合を確認しながら、適切に水やりを行うことが重要です。
ひとたびガジュマルの育て方を覚えてしまえば、翌年もガジュマルが立派に成長していく姿を見ることができますし、他の観葉植物にも活かすことができます。
ガジュマルを育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。