ハイビスカスを地植えで育てているんだけど、果たして屋外でも冬越しが出来るのか分かりません…. ハイビスカスの冬越しについて教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『ハイビスカスの冬越しの方法』を冬越しに必要な条件や冬越しの方法、冬越しの際の注意点など解説していきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、ハイビスカスが来年も立派なお花を咲かせるようになりますよ。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、ハイビスカスを屋外で冬越し出来る地域は限られています。
しかし、ハイビスカスの冬越しに必要な条件や冬越しの方法を知っておくと、去年よりもハイビスカスが立派なお花を咲かせるようになりますよ。
ハイビスカスの冬越しが分からなくて困っている方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
冬越しの成功に必要な絶対条件
結論、ハイビスカスを屋外で冬越しさせるには、最低気温が10℃以上ないと難しいです。
ハイビスカスは樹木ですが、非耐寒性常緑小高木の熱帯花木のため、ここ日本でも地植えで冬越しできる地域は限られています。
では、ハイビスカスの冬越しが出来る地域はどこかをみていきましょう。
日本では沖縄・小笠原諸島のみ
以下の表は冬期12月~3月の沖縄と小笠原諸島、東京の最低気温を表しています。
注目してほしいのですが、沖縄、小笠原諸島とも、12月~3月までの最低気温が10℃を下回ることがありません。
ハイビスカスが冬越しできる最低気温は10℃以上ですから、沖縄と小笠原諸島の最低気温それよりも高いです。
東京の12月~3月の最低気温は10℃以下どころか5℃にも届きません。
どんなに屋外でビニール袋をかぶせる等防寒をしても、冬越しは出来ません。
沖縄・小笠原諸島以外は室内で冬越し
ハイビスカスを沖縄・小笠原諸島以外で冬越しさせるには、最低気温が10℃以上を確保できる室内で管理するしかありません。
室内で管理する適期は10月に入ったタイミングです。
10月というのはハイビスカスに限らず熱帯地域原産の多くの観葉植物を室内に取り込む時期と重なります。
室内でも夜間は気温がグッと下がるため、できればエアコンなどがずっと付いている10℃以上ある部屋がベストなのですが、難しい場合は10月に室内に取り込む際に、伸びた枝を切り詰めて、余分な体力を使わないように剪定します。
根っこさえ生きていれば、5月以降活発に根が動き、夏には綺麗なお花を咲かせます。
ハイビスカスの冬越しのやり方
ハイビスカスは寒さに弱いので、夏の間は日当たりのよい場所で育てますが、寒い期間はあたたかな場所に置き場所を変える必要があります。
夏の間にハイビスカスは樹高が高くなり、鉢も汚れています。
そのままお部屋に持ち込むと大きくて邪魔になるし、来年はさらに大きくなります。
さらに土の中から変な虫が飛び出すこともあります。
そこで、屋外で頑張っていたハイビスカスにひと手間かけることで、ハイビスカスも人も快適に冬越し出来るようになります。
それではハイビスカスの冬越しをひとつずつ見ていきましょう。
ひと枝に葉を3枚残して剪定する
まずは伸び切ったハイビスカスの枝を剪定します。
剪定することで株全体がコンパクトになり、置き場所に苦慮しなくなります。枝が全体に整理されると、状態の点検や病害虫のチェックもしやすくなります。
剪定は、 枝分かれから上に向かって葉っぱを数えて、3~5枚の上で切り落とします 。ざっくり切り終わったら全体を眺めて、飛び出しすぎているところはもう少し切り詰めます。
葉っぱを多めに残しても構いません。コンパクトにした方が良いですが、しすぎて枯れても嫌なので、最低でも3枚は残します。
もし、咲きそうな蕾が残っていれば、その枝だけ残しておいて花後に切ってもOKです。
関連記事→【解決】ハイビスカスのお花の咲かせ方【正しい剪定方法と剪定時期を覚えよう】
葉の裏表をしっかり洗う
室内で冬越しさせる場合は、葉に虫の卵がついていたら困るので、 葉の裏表に葉水をかけてしっかり洗い流しておきます 。
しっかり強めのシャワーで洗っておくと、ほとんどの虫の卵は流れ落ちて被害にあわずに済みます。
鉢から外して根っこチェック
ハイビスカスは根が大きく成長するので、春になると一回り大きな鉢に植え替えるか、根っこを整理して小さくしてから植え替える必要がありますが、 冬に向かうときは根の整理はしません 。
ハイビスカスにとってこの時期の植え替えはかなりストレスがかかってしまうためです。根鉢を崩さないように丁寧に扱いましょう。
点検と手入れが終わったら、同じ鉢にそのまま戻し入れます。
鉢の内外をしっかり洗う
外に置いていた鉢は、ベランダといえど汚れています。また、虫の卵もついていることがあります。
外した鉢にそのまま株を戻すので、その前にメラミンスポンジで内外をしっかり水洗いしましょう。
室内に虫が湧くのを防ぎます。
土に害虫の卵がないかチェック
鉢を外したら、地下部に虫や虫の卵が潜んでいないかざっと表面を点検します。見つけたら取り除きましょう。
虫や卵の塊が見つからない限り、土をほぐして中の方まで点検しなくても大丈夫です。落ちた土は汚れがなければそのまま戻しても、新しい土を加えても、どちらでも構いません。
冬越し中の管理方法と注意点
さて、ハイビスカスの冬越しの準備が整いましたが、冬越し中の管理で大切なことがあります。
正直に話しますと、恥ずかしながら私も初めてハイビスカスを育てた時は冬越し失敗しました。でも原因をとことん追求して、翌年には成功できました。
ぜひ皆様にもその喜びを味わっていただきたいので、私の経験から大切だなと感じた3つのコツを書かせていただきます。
暖かい場所で冬越しさせる
ハイビスカスは10℃以上の温度を保って冬越しさせる方が、株のダメージが少なくて済みます。
よほど家の中に取り込んでしまえば、大雪が降ろうが枯れることはまずありません。
冬越し期間中は、日当たりが悪くない方が良いのですが、日当たりが悪いからと言って気にする必要はありません。日当たりがよくてもよくなくても、葉っぱが落ちることもあれば、落ちないこともあります。
いずれにせよ、 寒すぎなければ無事に冬越しができて、春にまた芽吹いてくれます 。
とにかく暖かいところに置いておきましょう。十分に温度があれば、冬の間でも咲くときがあります。
冬越し中でも水やりを
冬越し期間中も、ハイビスカスには水やりが必要です。
夜は気温が下がりがちなので、 水やりは遅めの午前中がベスト です。
水やりは土の表面が乾いてから2~3日経ったら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えます。
暖房のよく効いた場所では、乾燥するのが早いため1~2日くらいで水を与えます。
花が咲いているときは水をよく吸うので、水切れに注意しましょう。花がない場合は、土は乾きにくいので、水のやりすぎに特に注意しましょう。
土の表面が乾かないうちに水を与えすぎてしまうと根腐れの原因となりますので注意しましょう。
関連記事→【重要】観葉植物の水やりの基本【室内で育てる場合の水やりの頻度やコツをマスターしよう!!】
肥料はストップ
基本的に生育を停止している11〜4月頃までは肥料を与える必要はありません。
ただし、冬でも室内で開花を続けているハイビスカスや、4月頃気温が上がりはじめ新芽が動き出したハイビスカスには、液体肥料を与えるとよいでしょう。
リン酸分の割合が多めの液体肥料を1週間〜10日に1回与えるようにしてください。肥料の希釈はパッケージなどに書かれている規定の量にしましょう。
関連記事→【検証】観葉植物の肥料の使い方【種類や使い方など状況ごとのおすすめな肥料をご紹介します】
まとめ:冬越しを覚えれば、毎年お花を楽しめる!!
というわけで、【検証】ハイビスカスの冬越しの方法【屋外でも冬越しは可能なのか?冬越しできる条件とは!?】を書いてきました。
この記事で解説した『ハイビスカスの冬越し方法』を実践してもらうと、来年もハイビスカスのお花が楽しめるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【冬越しの成功に必要な絶対条件】
1、屋外で冬越しさせるには、最低気温が10℃以上ないと難しい
2、室内で管理する適期は10月
【ハイビスカスの冬越しのやり方】
1、ひと枝に葉を3枚残して剪定する
2、葉の裏表をしっかり洗う
3、鉢から外して根っこチェック
4、鉢の内外をしっかり洗う
5、土に害虫の卵がないかチェック
【冬越し中の管理方法と注意点】
1、暖かい場所で冬越しさせる
2、冬越し中でも水やりを
3、肥料はストップ
ハイビスカスの冬越しは最初は失敗するかもしれません。かくいう私も失敗から学びました。
しかしハイビスカスの冬越しを覚えて、翌年もハイビスカスのお花を咲かせることができた時は大変嬉しかったことを今でも覚えています。
ハイビスカスの冬越しは園芸に携わっていく上で、他の植物でも活かすことのできる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。