ハイビスカスを育てていますが、来年もお花を楽しみたいと思っています。ハイビスカスのお花が終わった後の管理や冬越し、来年以降もお花を咲かせる管理方法について教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『ハイビスカスの育て方』ということで、ハイビスカスのお花を咲かせる上で必要な育て方、また来年も綺麗なお花を咲かせるための管理方法もお伝えしていきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、ハイビスカスの来年以降も楽しむために必要な育て方や冬越しの方法が分かるようになり、ご自宅のハイビスカスが毎年綺麗に咲き誇ってくれるのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、ハイビスカスのお花を一年中楽しむために注意すべき点は『冬越し』です。
熱帯地方が原産のハイビスカスは寒さに弱く、日本の冬を屋外で乗り越えるのはむずかしいとされています。 では、ハイビスカスは冬越しできないのでしょうか?
実際にはそんなことはなく、適切な対策を行うことでハイビスカスを冬越しさせることは可能です。
「ハイビスカスを来年も楽しみたい」「ハイビスカスの冬の管理がわからない」とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
ハイビスカスってどんな植物?
ハイビスカスは、鮮やかな赤い色が印象的で、沖縄やハワイなど南国を象徴する花として親しまれています。暖かい地域や夏に咲くイメージがあるハイビスカスですが、実は夏以外にも、“春や秋にも楽しめる花“であることはあまり知られていません。
開花期が長い
ハイビスカスはアオイ科の非耐寒性常緑低木。世界の熱帯~亜熱帯地方で広く栽培され、暖かい地域では庭木としても利用されています。
5月~10月頃に華やかな花が咲き、花色は赤、黄、白、ピンク、オレンジ、紫、複色などバリエーションも豊富で、花の大きさも小さいものから大きいものまであり、その品種数は数えきれないほどです。
ハイビスカスの花は、通常、朝開いて夜に閉じてしまう1日花です。最近は品種改良により、1つの花が2~3日咲くものも出てきています。
ハイビスカスの種類
主に亜熱帯地域に生息するハイビスカスは、品種改良によって1万以上の品種があります。ハイビスカスの品種は、「オールドタイプ」、「コーラルタイプ」、ニュータイプ系とも呼ばれる「ハワイアンタイプ」、これら3つのタイプに大きく分けられます。
オールドタイプ
オールドタイプは在来系とも呼ばれ、古くから野生の品種に近いものとして知られています。暑さにも比較的強く、耐寒性にも優れているオールドタイプは、初めてハイビスカスを育てる方におすすめの種類です。小さめの花や、中くらいの大きさの花を咲かせる品種など、育て方を工夫すれば一年中楽しめるものもあります。
コーラルタイプ
日本語でサンゴという意味を持つコーラルタイプは、花びらのふちがフリルのようになっていて、垂れ下がるように花を咲かせるのが特徴です。寒さに弱いといった性質がありますが、オールドタイプよりも小さめで、暑いときは生育が旺盛なので比較的育てやすいといわれています。
ハワイアンタイプ
ニュータイプとも呼ばれるハワイアンタイプは、文字どおりハワイで品種改良されたタイプを指します。野生種のハイビスカスとブッソウゲが交配されたもので、鑑賞用として特に人気の高いタイプです。大輪の花を鮮やかに咲かせるのが特徴で、赤やオレンジの他、青や紫など色のバリエーションも豊富です。暑さや寒さにも弱いタイプなので、開花時期は気候が安定している春や秋頃が目安です。
ハイビスカスの植え付け
ハイビスカスの植え付けにはいくつかポイントがあります。育て方を間違えなければきれいなお花を咲かせてくれますので、しっかりと解説していきます。
植え付け
植え付け・植え替えの適期は4月~5月となります。開花する前の4月~5月に植え付け・植え替えを行うことで、ハイビスカスに大きなストレスを与えるのを防ぐことができます。
ハイビスカスは種まきよりも、苗から育てるほうが一般的です。
5月前後にはホームセンターや園芸店などに苗が出回ります。ビニールポットなどに入ったハイビスカスの苗は、店頭に並んでいる時点で根が成長していることが多いため、購入したらすぐに鉢に植え付けましょう。
関連記事→【必見】ハイビスカスの植え替え【大きくしたくない場合の植え替えのコツは〇〇すること!?】
土づくり
ハイビスカスは、水はけ、水持ちがよく肥沃な土を好みます。そのため、有機質の土壌を作って栄養分を十分に供給できるようにしましょう。
鉢植えの場合、草花用培養土で育てることができます。草花用培養土はホームセンターや園芸店で購入可能です。
ご自身で用土を配合して作る場合は、赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2の配合土がおすすめです。この配合土を使うことによってハイビスカスの生育に最適な土壌を作ることができます。また、元肥としてリン酸分の多い緩効性化成肥料を施しましょう。緩効性化成肥料を使うことによって、植物に必要な栄養分を長期間にわたって供給することが可能です。
ハイビスカスのお手入れ
ここからは、ハイビスカスを定植した後の、日々のお手入れについてご紹介します。植物は手をかけた分だけ応えてくれるので、たくさんの花が咲いた時の喜びもひとしおです。
水やり
ハイビスカスの成長期は4〜10月です。この時期は鉢土の表面が乾いてきたら水やりをしましょう。
ハイビスカスは水不足になると、蕾を落としてしまうことがあります。せっかくつけた蕾が落ちてしまうと花は咲きませんので、開花期は水切れを起こさないように注意します。夏は水をたくさんやっても水切れになりますから、朝夕の2回水やりが必要です。
鉢土が乾いたら、鉢底から水がたっぷり流れ出るまで水を与えます。ただし鉢皿に水が溜まっているままだと根腐れの原因になりますので、溜まった水は必ず捨てましょう。
できれば鉢を屋外に出して、ハス口のついたジョウロで葉の上から株全体に水をかけると、葉につく病害虫の予防にもなります。
関連記事→【重要】水やりの基本をマスターせよ【植物が枯れてしまう原因は9割が水やりだった!!】
肥料
ハイビスカスは5〜10月が生育期になります。新芽が伸びて花が咲くこの時期は、肥料が切れないようにすることが大切です。緩効性の化成肥料を、鉢の土の上に置き肥します。置き肥の量は、肥料のパッケージなどに書かれている規定の量よりやや多めに施します。肥料によって効き目が持続する期間が異なります。効き目が切れる頃に、次の置き肥を施しましょう。
さらに開花が進んでいるハイビスカスは、置き肥だけでは栄養分が不足しています。リン酸分の割合が多めの液体肥料を、規定の希釈量よりもやや薄めにして1週間〜10日に1回与えるようにしてください。
また休眠期に当たる11〜4月頃までは肥料を与える必要はありません。ただし、冬でも室内で開花を続けているハイビスカスや、4月頃気温が上がりはじめ新芽が動き出したハイビスカスには、液体肥料を与えるとよいでしょう。リン酸分の割合が多めの液体肥料を1週間〜10日に1回与えるようにしてください。肥料の希釈はパッケージなどに書かれている規定の量を守るようにしましょう。
関連記事→【重要】肥料の基本をマスターせよ【たくさんのお花を咲かせる肥料のポイント教えます】
置き場所
ハイビスカスは日光を好む植物なので、できるだけ日当たりの良い場所に置きます。
しかし、実はハイビスカスは大輪系(ハワイアン系)の品種を中心に猛暑には弱いものが多く、気温35℃以上が続くような暑さは苦手で、真夏には花数が少なくなったり、花の大きさが小さくなったりします。
真夏に株の調子が良くない場合は、午前中だけ日が当たる場所や、明るい半日陰などに置いてみましょう。鉢をコンクリートの床の上に直接置くと、照り返しによる高温で株が弱ります。棚の上に置くなど、できるだけ風通しを良くしてやりましょう。
ハイビスカスを育てる際の注意点
ハイビスカスは比較的育てやすい植物ですが、来年もお花を楽しむにはポイントがあります。ここではハイビスカスを育てる上で注意すべき点についてお伝えします。
病害虫
ハイビスカスを育てるうえで注意したい害虫は、「ハダニ」や「アブラムシ」です。
3月から9月頃に発生しやすいハダニは、ハイビスカスの葉の裏側について養分を吸い取ってしまいます。ハダニがつくと葉に白っぽい斑点がつくので、見つけたときはホースで水をかけて駆除してください。
風通しが悪いとハダニが発生しやすいので、風通しのいいところに鉢を置く、ハイビスカスの葉の裏側に毎日水をかけてあげると予防効果があります。
4月から10月頃に発生するアブラムシは繁殖力が強いので、見つけたらすぐに捕殺します。また、専用の薬剤を使えば防除も可能です。
花がら摘み
大半の品種は、花が1日でしぼんでしまいます。しぼんだハイビスカスの花はそのままにしていれば自然に枯れて落ちていきますが、花が咲き終えて花びらが落ちた部分(ガク)は出来るだけ早めに摘み取ってあげましょう。
5月から10月にかけての生育期間は、花が落ちた後のガクを摘み取らないと、種に養分がまわってしまい花つきが悪くなります。花が落ちたらハサミを使ってガクを切り取る、あるいは、つけ根の部分から摘み取るなど、毎日のお手入れを欠かさないことが大切です。
冬に入るとハイビスカスの葉も枯れてくるので、枯れている葉は出来るだけ早めに切り取りましょう。
切り戻し
切り戻しは強剪定ともいい、ハイビスカスの株全体を大きくカットする方法です。枝の長さを3分の1ほど残すようにカットします。元気のある大きな株であれば、大胆にもっと短く切ってしまっても問題ありません。枝が重なって伸びている部分などは、細い枝のほうをつけ根から切っておくとよいでしょう。
秋に強剪定したものは、気温が高くなり始める5月に植え替えを行います。鉢から抜いたハイビスカスは根鉢の下のほうから土を少し崩し、根も3分の1ほど切り落とします。もとの鉢に新しい土を加えて植え替えましょう。
秋に剪定をせずに冬越しをしたハイビスカスは、翌年の5月に強剪定をする際、植え替えも一緒に行います。一通り開花して姿が乱れてきたら、草丈の半分ぐらいまで、刈り込んで切り戻しをするようにしましょう。切り戻しの適期は8月ぐらいが目安になります。暑さが落ち着いて涼しくなってきたら、再び株が勢いよく生育し、秋にはまたたくさんのお花を楽しむことができます。
関連記事→【解決】ハイビスカスのお花の咲かせ方【正しい剪定方法と剪定時期を覚えよう】
冬越し
ハイビスカスを冬越しさせるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
10〜11月頃になったら、ハイビスカスを室内に取り込みましょう。気温が寒くなりきる前に移動してください。なお、室内ではできるだけ日当たりがよく、暖房風が直接当たらない窓辺に置きましょう。室内の温度を、最低でも常に10℃以上に保つことが理想です。
冬の間はハイビスカスの休眠期に当たるため、水やりの回数を控えめにしましょう。土の中の方まで乾いたら、軽く水やりしてください。鉢底から水が流れ出るほど、たっぷり与える必要はありません。
その代わり、冬は室内が乾燥しやすいため、葉水を定期的にするとより安心です。
また、休眠期は栄養を吸収する力も低下しているため、追肥は不要です。
関連記事→【検証】ハイビスカスの冬越しの方法【屋外でも冬越しは可能なのか?冬越しできる条件とは!?】
まとめ:冬の寒さに注意してハイビスカスを毎年楽しもう
というわけで【人気】ハイビスカスの育て方【来年もお花を楽しむコツは〇〇の時期に室内で管理すること!?】を書いてきました。
この記事で解説した『ハイビスカスの育て方』を実践してもらうと、ハイビスカスのお花を来年も楽しむことができるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【ハイビスカスってどんな植物?】
1、世界の熱帯~亜熱帯地方で広く栽培され、暖かい地域では庭木として利用されている
2、5月~10月頃に華やかな花が咲き、花色は赤、黄、白、ピンク、オレンジ、紫、複色など豊富
3、オールドタイプ、コーラルタイプ、ハワイアンタイプ、これら3つの品種に大きく分けられる
【ハイビスカスの植え付け】
1、植え付け・植え替えの適期は4月~5月
2、5月前後にはホームセンターや園芸店などに苗が出回る
3、市販の草花用培養土を使用する
【ハイビスカスのお手入れ】
1、開花期は水切れを起こすと、蕾が落ちてお花が咲かなくなる
2、新芽が伸びて花が咲く5〜10月は、肥料が切れないようにする
3、開花が進んでいるハイビスカスは、液体肥料を規定の希釈量よりも薄めにして1週間〜10日に1回与える
4、ハイビスカスは日光を好む植物なので、できるだけ日当たりの良い場所に置くこと
【ハイビスカスを育てる際の注意点】
1、ハダニがつくと葉に白っぽい斑点がつくので、見つけたときはホースで水をかけて駆除する
2、4月〜10月頃に発生するアブラムシは繁殖力が強いので、見つけたらすぐに捕殺すること
3、花がらを残すと、種をつけようとして株が消耗し、花数が少なくなる
4、一通り開花して姿が乱れてきたら、草丈の半分ぐらいまで、刈り込んで切り戻しをする
5、10〜11月頃になったら室内に取り込み、最低でも常に10℃以上に保つことが理想
以上がハイビスカスの育て方に関するポイントになります。
ハイビスカスのお花を毎年楽しむために注意すべき点は『冬越し』です。
熱帯地方が原産のハイビスカスは寒さに弱く、日本の冬を屋外で乗り越えるのはむずかしいとされていますが、ポイントを押さえ冬を乗り越えることができれば、翌年もお花を楽しむことが出来ます。
10〜11月頃になったら、ハイビスカスを室内に取り込みましょう。気温が寒くなりきる前に移動することが大切です。なお、室内ではできるだけ日当たりがよく、暖房風が直接当たらない窓辺に置きましょう。室内の温度を、最低でも常に10℃以上に保つことが理想です。
また冬の間はハイビスカスの休眠期に当たるため、水やりの回数を控えめにしましょう。土の中の方まで乾いたら、軽く水やりしてください。鉢底から水が流れ出るほど、たっぷり与える必要はありません。
ひとたびハイビスカスの育て方を覚えてしまえば、ハイビスカスのお花を毎年楽しむことができますし、他の植物にも活かすことができます。
ハイビスカスを育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術を身につけることができますので、がんばって身につけましょう。