母の日にカーネーションの鉢植えをもらったのですが、ほんの2~3日でお花が枯れてしまいました…カーネーションの鉢植えが枯れてしまう原因や枯れない管理方法を教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『カーネーションが枯れる原因』ということで、カーネーションの鉢植えを育てる上で枯れてしまう原因やカーネーションが枯れない管理方法などカーネーションを長く楽しむためのエピソードを解説していきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、カーネーションの鉢植えが枯れてしまう原因が分かるようになり、大切なカーネーションの鉢植えがすぐに枯れてしまうことなく、ご家庭を明るく彩るのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、カーネーションの鉢植えが枯れてしまう原因は9割が室内管理によるものです。
カーネーションの鉢植えは日当たりと風通しがいい場所を好みます。したがって室内で管理していると、どうしても日照不足になってしまいます。日当たりが悪いとお花がなかなか咲きませんし、次第に元気もなくなってきます。
また室内でカーネーションの鉢植えを育てていると、水やりが難しくなります。屋外と違い風通しが悪いので、土が乾きにくくなります。土が乾いていない状態で水やりを行うとカーネーションがどんどん元気がなくなり、最悪の場合枯れてしまう恐れがあります。
せっかくの大切なカーネーションの鉢植えを長く楽しむために、正しい管理方法を覚えておきましょう。
「毎年カーネーションを枯らしてしまう」「カーネーションのお花が枯れてしまう原因が分からない」とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
カーネーションってどんな植物?
カーネーションは多数の花弁で構成されている花で、古くからヨーロッパを中心に親しまれている花です。現在でも世界中で見ることのできる花で、愛好家も多いポピュラーな花として知られています。
フリルみたいな花弁が可愛らしいカーネーションは色や形のバリエーションが豊富なお花です。母の日に贈られることも多いですが、ピンクや深紅、オレンジ、黄色、青、紫、などの色はフラワーギフトとしても人気があります。
花もちがいい
カーネーションは古代ギリシャ時代から栽培されていますが、現在のカーネーションはナデシコ科のセキチク(石竹)と、交雑したものがほとんどで、そこから多くの品種のカーネーションが誕生しました。
四季咲き性の強いミニ系の品種は花もちがよいので鉢花に人気があります。母の日がある5月はやや気温が高く、寿命(キレイに咲いている期間)は1~2週間前後と言われております。気温が低い冬はもう少し長持ちしますが、お手入れ次第では春夏も長持ちさせることが可能です。
関連記事→【必見】カーネーションの鉢植えを長持ちさせる方法【長持ちさせるコツは置き場所と水やりが重要だった!?】
多彩なお花の咲き方
波打つフリルのような花びらが、可愛さとゴージャースさの両方を持ち合わせているカーネーションですが、切り花は、1本の茎に大輪の花を1つつけるボリュームのある見た目が特徴の「スタンダードタイプ」と、枝分かれした各茎に小ぶりな花がつく「スプレータイプ」の2種類の花の付き方があります。
また「丸弁咲き」、「一重咲き」、「剣弁咲き」、「極剣弁咲き(スター咲き)」と花の特徴から4種類に分けることができます。
切り花での利用が多いカーネーションですが、ポットカーネー ション、ガーデンカーネーションと呼ばれる開花鉢として出回り、苗も入手できます。このポットカーネーションは葉や茎が密集しているものが多いです。
咲かないつぼみがある
スプレータイプの場合、つぼみがたくさんついているものがお得な感じがすると思います。
しかし、カーネーションのつぼみが全部が咲くわけではありません。先端が開いて花びらが見えるものは、咲く可能性が大です。反対に先端までしっかりと緑色のつぼみは、まず咲きません。
むしろ咲かないつぼみをそのままにしていると、無駄に花のエネルギーを消費してしまいます。咲かないつぼみはカットしたほうが花が長持ちします。
カーネーションは咲いてからのもちがいいので、花屋さんでスプレータイプを選ぶときは、つぼみがたくさんついているものより、花がすべて咲いているもののほうがおすすめです。
カーネーションが枯れる原因
カーネーションが枯れるまでの日数は、平均で7〜10日程度と言われています。
ただし、カーネーションは高温多湿が苦手なので、ジメジメと暑い夏は花もちが良くありません。同様に管理方法によってもカーネーションの花もちが短くなってしまう場合があります。
ここではカーネーションが枯れてしまう代表的な原因をお伝えします。
過剰な水やり
カーネーションが枯れる原因で一番多いのが水のやりすぎです。
基本的にカーネーションは水がとても大好きな植物になります。しかし、水が大好きだからといって毎日水を与えてもいいかと言うと、必ずしもそうではありません。
しっかりと土が乾きやすい環境で管理できている場合に限り、毎日の水やりが好ましいということです。
もともとカーネーションは西アジアの乾燥した地域が原産です。この地域は「風が強い・雨が少ない・湿気が少ない」と言ったように、土が非常に乾きやすい環境になります。
したがっていくら水が大好きなカーネーションでも、土が乾き切らない状態で、次から次へと水やりをされては具合が悪くなっていきます。水をやりすぎてしまうと根腐れを起こし、カーネーションは枯れてしまいます。次のような特徴がみられる場合は水のやりすぎだと判断してください。
- 土が乾燥するのが遅い
- 土から異臭がする
- 茎が柔らかい
- 根が黒く変色している
根腐れになると、葉っぱ・花・蕾・新芽といったカーネーション全体がしおれて元気がなくなるのが特徴です。
はっきりと分かるのは根の状態を確認した時です。
鉢から出してみると、本来の健康な根っこは白いんですが、根腐れになると黒ずんだ根っこが多く、白い健康な部分が極端に少なくなっています。また根の部分を触るとボロボロと土ごと取れてしまいます。
日当たりが悪い
カーネーションを置いてある場所の日当たりが悪いと、枯れる原因になります。
カーネーションに限らず、ほとんどの植物は日当たりの悪い場所に置くと枯れやすくなります。次のような特徴がみられる場合は日照不足だと判断してください。
- 葉っぱの色が薄くなる
- 花芽が少ない
- つぼみが枯れたり腐ったりする
- つぼみが白っぽくなる
- 株元にある下葉が黄色くなる
日照不足だと、カーネーションは多くの場合、つぼみが開かずにしぼんでしまいます。最初は元気でたくさん花が咲いていたのに、だんだんと花が咲かなくなってきたときは日照不足を疑いましょう。
風通しが悪い
カーネーションは湿気に弱い植物です。先ほどもお伝えしたようにカーネーションが生まれた西アジアの乾燥した地域は「風が強い・雨が少ない・湿気が少ない」というのが特徴です。
窓を閉め切った室内といった風通しの悪い場所では、蒸れて根っこが傷んで枯れる原因となってしまいます。次のような特徴がみられる場合は風通しが悪く蒸れていると判断してください。
- 株元がぐらつく
- 根元や花が黄色や茶色になる
また買った鉢植えにはぎっしりと植えられていることが多いので、実際はカーネーションの株に風が通りにくいのです。風通しが悪いとカビが発生しやすくなります。このカビ自体がカーネーションが枯れる原因となります。
カーネーションが枯れそうな時のお手入れ
カーネーションが枯れそうな場合でも、お手入れのやり方によって復活する可能性があります。せっかくのカーネーションを少しでも長く楽しむために枯れそうになっている原因ごとに、お手入れ方法を解説していきます。
根腐れが原因の場合
カーネーションが根腐れを起こしていたら、次の2つの対処法を行ってください。
切り戻し
切り戻しとは、枯れてしまったりしおれて元気のない枝を、元気のある部分まで戻って切り離す作業のことです。
枯れている部分が広範囲に及んでいる場合は、一番太い枝だけしか残らない状態になることもありますが、思い切って悪い部分は全部取り除いていきましょう。
植え替え
植え替えとは、現在の鉢植えから別の鉢植えに移す作業のことです。
まずカーネーションを鉢から出し、根っこの部分の土をほぐしていきます。根っこが傷んでいる部分は、手で軽くほぐしただけで土ごとボロボロと落ちていきます。元気のある根っこの部分は土がボロボロと落ちることはありません。土が落ちなくなるまで根っこをほぐしていきます。
次に、新しい園芸用の土と鉢を用意してそこに植えていきます。鉢の大きさは残った根っこより一回り大きなものが適しています。
植え替えが終わったらたっぷり水やりをして、一週間ほどは日陰に置いて様子を見ましょう。日陰に置いて元気を取り戻していくようだったら、徐々に日向に出していきましょう。
日照不足が原因の場合
日照不足のときは肥料などを与えても元気にならないことがほとんどです。
対処法としては風通しを良くして、日当たりが良い場所へ置いてあげてください。屋内に置いている場合は屋外に移動しましょう。
ただし、日本の夏はカーネーションにとって暑すぎるため、気温が30℃を越すような日は日陰に置いてあげることが必要です。
風通しが悪い場合
カーネーションは総じて風通しが悪い環境では育てにくいと言えます。
カーネーションの葉が密集している状態だと、葉の湿気によって枯れる可能性が出てきます。不要な葉は切り取り、大きな鉢植えで葉がくっつかないように植えてあげたりするなどの工夫をしましょう。
対処法としては、屋外に移動することがカーネーションを育てる上で1番失敗しない管理方法と言えるでしょう。
カーネーションは蒸れに弱いため、風通しを良くすることで病気の発生を防ぐとともに、土が乾きやすくなり水やりでカーネーションを枯らす心配がなくなります。
また屋外で育てることで、日照不足も解消でき、日当たり、水やり、風通しのすべてがカーネーションにとって条件のいい生育環境になります。
カーネーションを来年も楽しむために
カーネーションの開花時期は4月〜6月です。春から初夏にかけて咲き誇り、秋に返り咲く種類もあります。多年草なので上手に育てれば、毎年咲いてくれます。
ただし、秋にもお花を咲かせたり、来年もカーネーション楽しむためにはカーネーションの花が咲き終わる頃に必要な作業があります。
ここでは春以降もカーネーションのお花を咲かせる管理方法をお伝えします。
全体をカットする
カーネーションのお花が咲き終わる頃(夏前、6月頃)、もう新しいつぼみもできそうにない状態になったら、茎の株元から先端までの長さで、1/3程を目安にカットします。その際、下葉まで切り取ってしまわないよう注意してください。生育を促すために葉を残しておく必要があります。
この作業を切り戻しと言い、不要な葉や枝を取り除くことで、風通しが良くなり、新しい芽の生長を促すことができます。
植え替えをする
鉢底から根っこが出るくらい鉢が小さすぎる場合は、大きめの鉢に植え替えましょう。一般的な鉢植えは育てていくうちに少しずつ根が詰まってくるため、しばらく育ててから植え替えを行います。
カーネーションの根っこは細く、デリケートなので根っこを傷つけないようそっと土ごと鉢から取り出し、一回り大きな鉢に植え替えます。この時、鉢の縁から下2〜3cm(ウォータースペース)ほどを残して、土を入れましょう。
最後に水を鉢底から出てくるくらいたっぷりと注ぎましょう。
植え替え後は1週間ほど養生させるのが基本です。カーネーションを日陰、または半日陰の風通しの良い場所に置き、水切れさせないように気を付けましょう。そして1週間後に徐々に日向へと慣らしていきます。
まとめ:風通しのいい環境でカーネーションを楽しもう!!
というわけで、【解決】カーネーションが枯れる原因【枯れる原因は〇〇な育て方が問題だった!?】を書いてきました。
この記事で解説した『カーネーションが枯れる原因』を理解してもらうと、カーネーションの鉢植えが枯れてしまう原因が分かるようになり、大切なカーネーションの鉢植えがすぐに枯れてしまうことなく、ご家庭を明るく彩るのにきっと役立ちます。
もう1度確認しましょう。
【カーネーションってどんな植物?】
1、花もちがよく1~2週間前後キレイに咲き誇る
2、品種や多彩な咲き方が豊富
3、咲かないつぼみがある
【カーネーションが枯れる原因】
1、過剰な水やりによるもの
2、日照不足によるもの
3、風通しが悪い環境によるもの
【カーネーションが枯れそうな時のお手入れ】
1、根腐れが原因のときは、切り戻しと植え替えを行う
2、日照不足が原因のときは、日当たりのいい場所に移動する
3、風通しが悪いときは、屋外で管理する
【カーネーションを来年も楽しむために】
1、茎の株元から先端までの長さで、1/3程を目安に切り戻す
2、一回り大きな鉢に植え替える
3、植え替え後は1週間ほど日陰の風通しの良い場所に置く
以上がカーネーションが枯れる原因とお手入れのポイントになります。
基本的に注意することは置き場所と水やりです。
カーネーションの鉢植えは日当たりと風通しがいい場所を好みます。したがって室内で管理していると、どうしても日照不足になってしまいます。また日当たりと風通しが悪いため、土が乾きにくく、水やりも難しくなります。
しかし屋外でカーネーションを育てることで枯れることなく、次から次にカーネーションのお花を咲かせることができます。
ひとたびカーネーションの鉢植えを長持ちさせる方法を覚えてしまえば、翌年もカーネーションの鉢植えが立派にお花を咲かせる姿を見ることができますし、他の植物にも活かすことができます。
カーネーションの鉢植えを育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。