【解決】スモークツリーの剪定方法【綺麗な形を維持するための剪定時期と剪定位置を覚えよう!!】

2023年7月3日
スモークツリーがなんかモッサリして見栄えが悪い…. おそらく剪定が必要なんだろうけど、どこを切ればいいのか分からない!!スモークツリーの正しい剪定方法について教えて。

今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
 

この記事では『スモークツリーの剪定方法』ということで、スモークツリーに必要な正しい剪定の方法や剪定時期、剪定位置などを解説していきます。

記事の内容を理解・実践してもらうと、スモークツリーに必要な剪定が分かるようになり、スモークツリーが大きくなりすぎず、あなたのお庭を彩るのにきっと役立ちます。
 

私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
 

最初にいっておくと、スモークツリーの見栄えをよくするには、定期的に剪定して形を整える必要があります。
成長が早い植物なので、放置していると枝葉が伸び放題になって庭の美観を崩してしまうかもしれません。

それほどにスモークツリーにとって剪定は必要不可欠なのです。

お庭のスモークツリーがモッサリしてきて綺麗な樹形に整えたいとお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。

Contents


スモークツリーってどんな植物?

ふわふわとした綿毛のような質感が特徴的なスモークツリー。

一度見たら忘れられない個性的なフォルムをしたその植物は、別名「煙の木」と呼ばれているウルシ科ハグマノキ属の落葉樹です。
最近では庭木としても人気が高く、シンボルツリーとしてお家の庭などに植えられているのを見かけます。見頃の時期になるとモクモクと煙のような花で庭を優しい雰囲気にしてくれます。

強い生命力で長く楽しめる

その見た目の通り、和名を「煙の木」と言い、ふわふわとして煙を巻き上げているように見えることから、この名が付けられました。

この他にもハグマノキ(白熊の木)、カスミノキ(霞の木)という別名もありますが、ハグマ(白熊)の毛で作られる仏具に似ていることや、霞がかったように見えることなど、いずれも見た目に由来しています。

原産地はヨーロッパや中国などで、暑さにも寒さにも強く、放任してもよく育ちます。逆に生命力が強いために、枝葉を旺盛に伸ばして樹形を乱しやすいので、適した剪定をして風通しよく管理するひと手間が必要です。

お花や葉の色が多彩

スモークツリーはカラーリーフとしても活躍する人気の花木で、さまざまな葉色の品種が出回っています。

カラーリーフで有名な品種は、黄色みの強い明るい葉色の『ゴールデンレディ』、黒みを帯びたワインレッドの葉を持つ『ロイヤルパープル』や『ベルベットクローク』などがあります。

また、鮮やかな赤い花茎の『ワインカラー』、ピンクの『ピンクボール』、白の『ホワイトボール』、花茎がピンクからグリーンのグラデーションになる『グリーンボール』などもあります。

フワフワはお花じゃない

スモークツリーは5月中旬〜7月上旬頃に咲く初夏の花木(かぼく)ですが、どの部分がお花なのかをご存知でしょうか。丸いフワフワとした部分を花だと思っている方もいるかもしれませんが、この部分は花ではありません。

スモークツリーの本来の花は枝先につける3~5mm程度の小さな花です。

この花を咲かせた後、花がらという雌木の軸の部分が長く伸びて綿毛のような見た目になります。これは、種が遠くに飛ぶように進化したもので、花がらの先についた種を遠くに飛ばす役割を担っています。

そもそもスモークツリーはイチョウなどと同じく、雌雄異株(しゆういしゅ)という雌花と雄花を別の個体につける植物です。そのため、フワフワの花がらとなり種をつけるのは雌花のついている雌株だけになります。

関連記事【解決】スモークツリーのお花が咲かない理由【原因はスモークツリーの〇〇によるものだった!?】

なぜ剪定が必要なのか?

ところでスモークツリーはなぜ剪定が必要なのかご存知ですか?

答えは大きく2つあります。

スモークツリーを毎年楽しむために、まずは剪定する理由をしっかり把握しましょう。

来年の花をつける枝を充実させるため

スモークツリーの花は前年の枝の先端から伸びた枝につきます。つまり、前年の枝の先端を残しておく必要があります。

そのため、花が終わってから剪定することにより、来年の花の為の枝を充実させることが出来ます。

しかし、現実には間違った剪定によって前年の枝を謝って切り落とすこともしばしばあります。

それでも剪定する時期さえ間違えなければ、来年の花の為の枝を充実させることが出来ます。

病気や害虫から守るため

スモークツリーは成長スピードが早いため、放置しておくとどんどん大きくなり、気が付いたらとんでもないサイズになっていることもあります。

成長し過ぎると、枝や葉っぱんの数が多くなり、風通しが悪くなり病気が発生する原因になります。

また木の密度が増してしまう性質などが原因で、害虫が発生してしまうこともあります。害虫を発生させないためにも、剪定を忘れず行うようにしましょう。

いつ剪定するのか?

今回のスモークツリーの剪定のお話で1番重要なポイントが剪定時期です。

この剪定の時期を間違ってしまうと、毎年スモークツリーのお花が咲かないなんてことになりかねません。

かくいう私はこれと同じ失敗を繰り返していました。

実際に私が経験した剪定の失敗談と、その失敗から得た初心者でも花を咲かせることのできるスモークツリーの剪定時期をお伝えします。

剪定時期を間違えた結果..

一般的に言われているスモークツリーの剪定時期は11月~2月の休眠期に行うと言われています。

この時期はスモークツリーを切っても傷みにくいため、剪定をするならこの時期に行うと良いですよってことなんです。

しかし私の経験上この時期の剪定はオススメしません。

なぜなら、この休眠期の剪定で、せっかくあった花芽を全てカットしてしまっていたのです。

そもそもスモークツリーは、地植えをすると一年間に枝がものすごく伸びます。 およそ1m~1.5mぐらい伸びることもあります。

伸びた枝は暴れた枝になるので、落葉している冬の間は剪定をしたくなります。カットした部分から、また来年ものすごい勢いの枝が伸びてきます。

これでまた、お花が咲かないからとほったらかし、冬になって枝を剪定してしまうと、次の年も花が咲かない負のスパイラルに陥ってしまいました。

必ず花が咲く剪定時期

先ほどの私の失敗から導き出した剪定時期は、お花が咲き終わった直後に剪定をするということです。

スモークツリーの花は5~6月頃に咲きます。

剪定はお花が終わってから、8月まで(関東以北は7月まで)に行います。

8月までであれば、お花が咲き終わったタイミングであればいつでも剪定しても構いません。

お花が咲いていない枝でも、すべて、8月までに剪定をしてください。(剪定する高さは、自分がお花を咲かせたい高さから、20cm~30cm下)そこから枝が伸び、来年ほどよい高さにお花が咲きます。

ということで大事なことなので最後にもう一度だけ言います。

スモークツリーの剪定は、お花が終わってから8月までの間に行うようにしましょう。

スモークツリーの剪定方法

スモークツリーを剪定するときは、古くなった枝や形の悪い枝を選んで剪定するようにしましょう。古くなった枝は長く伸びすぎていたり、枯れていたりします。

一方、形の悪い枝には、ねじれて曲がっていたり、不自然に上へと伸びていたりする特徴があるのです。そのため、古い枝や形の悪い枝は根元から取り除きましょう。

また、内側に向かって伸びた枝や絡まっている枝を剪定すると、枝を透くことができます。切った枝から枝が生えてくることがあるため、そのようなときは間引くとよいでしょう。

基本的にスモークツリーは木が若いほど育つのも早いため、放っておくと樹形が乱れてしまいます。そのため、若いスモークツリーの剪定をするときには、全体の樹形をこまめに確認しながら、枝を選んで切りましょう

剪定する際の注意点

スモークツリーの剪定を行う上で注意する点があります。

スモークツリーはウルシという植物の仲間なので、ウルシに敏感な人は作業をしていてかぶれることがあります。

スモークツリーを切ったときに出る樹液は、手に触れるとかぶれてしまうのです。特にウルシでかぶれやすい人は、樹液が肌にかからないよう、露出の少ない服や手袋を着用して作業をしましょう。

また、スモークツリーの枝は剪定しすぎないよう注意してください。

なぜなら、落葉期に剪定しすぎると花が咲かなくなり、スモークツリーならではのフワフワした部分がつかなくなってしまいます。そのため、枝を切り過ぎないよう加減を考えておこないましょう。

剪定を気にしない裏ワザ

スモークツリーの剪定で失敗したくない方はある程度いると思います。私も剪定しないでも、毎年スモークツリーのお花を楽しむことが出来れば良いのになと思っていました。

そんな問題を解決する方法が一つだけあります。それは鉢植えにするということ。

先ほどもお伝えしたとおり、スモークツリーは地植えすると、ものすごく枝を伸ばします。(およそ1m~1.5mぐらい)

しかし鉢植えにすると、根っこが制限され、一年で20~30cmしか枝を伸ばしません。剪定しなくても、毎年お花を咲かせる充実した枝が、20~30cmずつ伸びていくだけで、毎年綺麗なお花を咲かせてくれます。

毎年スモークツリーのお花を楽しみたくて、コンパクトに楽しみたい方はぜひ試してみてはいかがでしょうか?

まとめ:正しい剪定時期を覚えれば、翌年も必ず咲きます!!

というわけで、【解決】スモークツリーの剪定方法【綺麗な形を維持するための剪定時期と剪定位置を覚えよう!!】を書いてきました。

この記事で解説した『スモークツリーの剪定』を実践してもらうと、翌年もスモークツリーのお花を楽しむことができるようになりますよ。

もう1度確認しましょう。

【スモークツリーってどんな植物?】
1、生命力が強く、枝葉を旺盛に伸ばして成長する
2、カラーリーフとしても活躍する人気の花木で、さまざまな葉色の品種が出回っている
3、本来の花は枝先につける3~5mm程度の小さな花

【なぜ剪定が必要なのか?】
1、来年の花をつける枝を充実させるため
2、病気や害虫から守るため

【いつ剪定するのか?】
1、一般的な剪定時期は11月~2月の休眠期に行う
2、花芽を確実に残したいなら、お花が終わってから8月までの間に行う

【スモークツリーの剪定方法】
1、古くなった枝や形の悪い枝を選んで剪定する
2、内側に向かって伸びた枝や絡まっている枝を剪定すると、枝を透くことができる

【剪定する際の注意点】
1、樹液は、手に触れるとかぶれる恐れがある
2、落葉期に剪定しすぎると花が咲かなくなる

【剪定を気にしない裏ワザ】
1、剪定が面倒なら鉢植えで育てる
2、毎年お花を楽しみたいなら鉢植えで育てる

以上がスモークツリーの剪定に関するポイントになります。

どんな植物を育てていく上で欠かせないものが剪定です。

最初は剪定や育て方で苦労や失敗を経験するかもしれません。かくいう私も数え切れないくらい失敗してきました。

しかし、ひとたび剪定の基本を覚えてしまえば、翌年も植物が立派に成長していく姿を見た時は大変嬉しかったことを今でも覚えています。

スモークツリーの剪定はガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。