室内でユーカリを育てているんだけど、ユーカリの幹が細く全体的にひょろひょろとしています…室内でもユーカリを元気に育てるコツについて教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『ユーカリの育て方』ということで、ユーカリを室内で育てる上で必要な管理方法、また室内で管理する際の注意点などユーカリにまつわるエピソードなどを解説していきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、ユーカリに必要な育て方や管理方法が分かるようになり、お気に入りのユーカリが枯れることなく、あなたのお家を明るく彩るのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、室内でユーカリを育てる上で注意すべき点は日当たりと風通しです。基本的にユーカリは直射日光を好むため、屋外でも日陰の場合はひょろひょろになる恐れがあります。鉢植えの場合は、室内でも直射日光に当たる場所に移動させて管理することが重要です。
かく言う私も室内でユーカリを管理していたため貧弱な株姿になった経験があります。
ただ日当たりと風通しさえ注意していただければ、室内でも安心してユーカリを楽しんでいただけます。
『室内でもユーカリを元気に育てるコツが分からない』や『室内で観葉植物を育てると毎回枯れてしまう』とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
ユーカリの特徴
ユーカリは、銀色や緑色の葉を持つナチュラル感のある植物です。コアラが食用とするフトモモ科の樹木として知られており、お庭のシンボルツリーに人気があります。
生育が早いので初めて植物を迎える方に育てやすいですが、剪定を怠ると大きくなりすぎて困ることも。地植えする時は、場所を考えて植えることが重要です。
ユーカリの原産地
ユーカリはフトモモ科ユーカリ属の植物で、原産地はオーストラリア、タスマニア、ニュージーランドといった温暖な乾燥地域です。
自生地の年間平均気温は約22℃で、日本と同様に四季がありますが、日照時間が長く、冬は日本よりも暖かく、夏は乾燥しているという特徴があります。そのため、ユーカリは水やりの頻度に注意しながら日当たりと風通しの良い環境で管理して育てていきましょう。
ユーカリと花言葉
ユーカリの花言葉は「新生」「再生」「追憶」です。これらの花言葉は、ユーカリ属に共通する花言葉になります。
ユーカリの原産地は非常に乾燥しており、さらにユーカリから出るオイルが揮発して山火事が起きやすい環境になります。ユーカリの種子は高温にさらされることで発芽できる性質があるため、山火事があってもその後の降雨によって種が発芽し再生することから、これらの花言葉が付けられています。
「新生」と「再生」という花言葉にちなんで、何か新しいことにチャレンジする友人のプレゼントにも良いでしょう。開店・開業や移転など新天地でのスタートの取引先にも、ギフトとしておすすめの観葉植物です。
ユーカリと風水
風水では観葉植物そのものが運気を上げるアイテムとされています。ユーカリの葉の形状は、丸かったり細長かったりと様々です。そのため、風水効果は大きく2タイプに分けられます。
丸葉タイプのユーカリは、調和の風水効果があります。置いた場所の気を整え穏やかにしてくれます。良縁を引き寄せる効果もあるので、玄関の外などに置くと効果的です。
葉先が尖っているタイプは、邪気払いの風水効果があります。ベランダや玄関、お庭に置くことで外からの悪い気の侵入を防いでくれるでしょう。
ユーカリの育て方
ユーカリは、初めて植物を屋外のシンボルツリーとして迎える方にも育てやすい植物ですが、育て方にはポイントがあります。
ここでは、ユーカリの育て方について解説します。育て方のポイントを押さえて、適切に育てることができれば、美しい姿で元気に育ち続けるでしょう。
ユーカリの置き場所
基本的にユーカリは、日当たりと風通しの良い環境を好むので屋外の管理に適しています。直射日光や乾燥、風にも強いのでお庭のシンボルツリーとしてもおすすめです。
紫外線を好む植物なので、基本的には屋外で育ててください。
室内でユーカリを育てると窓ガラスで紫外線がカットされて、うまく育つことができません。
室内で育てたい場合は、日当たりの良い窓辺に置き、週に2~3回ほど屋外に出して日光と風に当てましょう。また植物用LEDライトを使用することで、室内でも十分に効果が得られます。
室内で管理する場合は、部屋を密閉せず、窓やドアを開けて空気の流れをつくりましょう。風通しが良くなり、土がよく乾きやすくなります。そして湿気がこもりやすい日は、サーキュレーターや扇風機を設置して、空気が停滞しないようにします。
多湿な環境では病気になりやすかったり、根腐れを起こしたりして枯れてしまう場合もありますので十分注意しましょう。
ユーカリの温度管理
ユーカリの生育適温は20℃程度が適した温度です。
温暖な環境を好みますが、寒さにも強いので屋外で管理が可能です。
鉢植えの場合は、軒下に移動したり二重鉢にしたりするなどして冬越ししましょう。
-10℃以下になるようであれば、室内に取り込むなどの対策が必要です。
しかし、シトリオドラ(レモンユーカリ)などの一部品種は、最低温度0℃以上をキープする必要があります。寒さに弱い品種は地植えではなく鉢植えをして、寒風や霜雪を避けるように育てましょう。
またユーカリは寒さに当たると枝葉が赤くなる性質があります。これは枯れているわけではなく、春暖かくなると自然と元に戻るので安心してください。
ユーカリの水やり
ユーカリの水やりは、鉢が軽くなるほど乾いたら水をやるのが基本です。過湿に弱く根腐れしやすいので、水のやり過ぎは禁物です。
ただし、春夏の生育期は土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいにたっぷりと水やりします。気温の下がる秋からは、土の乾燥具合を見ながら徐々に水やりを減らしてください。
冬は土の表面が乾いてから2~3日後に水やりして、乾燥気味に育てましょう。地植えの場合は、植え付け直後と雨の降らない夏を除いて水やりは不要です。
基本的にオージープランツ(オーストラリアンプランツ)全般は一度水切れしてしまうと復活しにくいという特徴があります。乾燥に強いと言っても、多肉植物のように自身に水分を蓄えておくような性質があるわけではないので、用土が乾くと水切れを起こします。特に若木のうちは過湿にも水切れにも弱いので気をつけましょう。
関連記事→【重要】観葉植物の水やりの基本【室内で育てる場合の水やりの頻度やコツをマスターしよう!!】
ユーカリの肥料
ユーカリには植え付けの時に、緩効性肥料を土に規定量混ぜ込むだけで十分です。
植え替えの時に肥料を混ぜ込んでいない場合は、生育期の3~10月に与えます。緩効性の置き肥を2か月に1度与えるか、水に薄めた液肥を水やり代わりに2週間に1度与えましょう。
生育期以外の肥料やりは根痛みの原因になります。秋以降は肥料やりは止めて、土の上の置き肥も取り除いてください。
そもそもオーストラリアの土壌はリン酸が少ないという特質があり、オージープランツ(オーストラリアンプランツ)の多くがリン酸を嫌います。特に日本の肥料はリン酸が多く含まれがちなので、たくさん施すと生育不良となりますので肥料の与え過ぎには注意しましょう。
関連記事→【検証】観葉植物の肥料の使い方【種類や使い方など状況ごとのおすすめな肥料をご紹介します】
ユーカリの剪定
ユーカリは剪定後の芽吹く力が強いので、1年を通して剪定ができますが、生育期でない冬に太い枝を切ると枯れこむ恐れがあるので注意してください。
ユーカリは3〜5月と9〜10月の年2回剪定しましょう。
春の剪定では樹形を整え、秋の剪定では夏に伸びた枝葉を切ってすっきりさせましょう!
もし冬に剪定したい場合は、形を整える程度にします。剪定をせずに育てると、ユーカリはどんどん大きくなる植物です。
またユーカリの幹を太くするコツとしては、ユーカリは成長が早いので幹が細いまま大きくなってしまう傾向があります。若木のうちは剪定を繰り返すことで幹を太くし、枝数を調節しながら樹形を整えるのがオススメです。
① 一番太い幹を主幹に決め、根元から出る他の枝はカット
② 縦に伸びる力を抑えるため全体の2/3〜1/3の高さにカット
③ 細い枝も葉を残した分岐点で切り戻していく
以上の手順で剪定を行うことでユーカリの幹を太くするための環境が整います。次第に剪定ところから分岐して枝が伸びていくので、枝が増えて枝が充実していきます。
関連記事→【必見】ユーカリの剪定方法【大きく伸びすぎたユーカリはどうやって剪定するの?】
ユーカリの植え替え
観葉植物を健康に元気に育てるには、植物の成長に合わせて植え替えることが必要です。
2~3年に1回を目安に4月~5月の生育期に、一回り大きい鉢に植え替えましょう。近年、猛暑日が続く日が多いので、梅雨時期までに行っておくと安心です。
植え替え直後は根がダメージを受けているため、肥料は与えないでください。肥料を与えると栄養を吸収しきれずに「肥料焼け」といって栄養過多で枯れてしまう原因となります。
根詰まりをしている株は生育が悪くなるので、2年未満であっても植え替えてあげましょう。鉢底から根が出ているときや、置き場所などの管理が良いのに水の吸い上げが悪くなっているときは、根詰まりのサインです。
ユーカリのよくあるトラブルと対処法
初心者でも育てやすいユーカリですが、もちろんトラブルも存在します。
ここではトラブルが起きたときの対処法を解説していきます。あらかじめ対処法を知っておけば、いざ何かあっても安心です。
根腐れ
根腐れとは、植物の根が腐った状態のことです。根腐れは根の先端部分から徐々に腐っていき、放置すると、幹が株元から腐って枯れていきます。
根腐れでは、以下の症状が見られます。
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かない
- 葉が落ちやすい
- 葉が茶色・黄色に変色している
- 幹や幹の根本が柔らかい
根腐れの対処法は、鉢を入れ替えて土の環境を変えること。
傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげましょう。
枝先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新しい葉を出すことで回復させます。
根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させましょう。
根腐れが起こると、新芽を残すように古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。
根詰まりは、以下の症状が見られます。
- 水が浸透しづらくなる
- 底から根が出てくる
- 葉が黄色くなる
- 鉢にヒビが入る
特に春夏の成長期で一気に伸びてしまうと上記のような症状が起きてしまいます。すぐに枯れる要因にはなりませんが、放置してしまうとユーカリに悪影響です。
根詰まりの対処法は植え替えをすること。
ユーカリを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の成長期が最も適しています。
葉焼け
葉焼けとは、日光の当たりすぎによって葉の色が変色してしまう症状です。
葉焼けでは、以下の症状が起きます。
- 葉の色素が抜けて白くなっている
- 葉の一部が茶色く枯れている
葉焼けの症状に気がついたら、早めに置き場所を検討し直すことが必要です。
葉焼けの対処法は、直射日光を避けて遮光すること。
葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いため、直射日光に当てないような措置を取りましょう。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻りません。傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちましょう。
まとめ:日当たりと風通しを良くして室内でユーカリを育てよう!!
というわけで、【解決】ユーカリの育て方【室内で上手に育てるコツは日当たりと風通しが重要だった!!】を書いてきました。
この記事で解説した『ユーカリの育て方』を実践してもらうと、ユーカリを通年通して、室内で楽しむことができるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【ユーカリの特徴】
1、ユーカリの花言葉は、「新生」「再生」「追憶」
2、丸葉タイプ=調和の風水効果、葉先が尖っているタイプ=邪気払いの風水効果
3、原産地はオーストラリアの温暖な地域
【ユーカリの育て方】
1、紫外線を好む植物なので、基本的には屋外で育てる
2、過湿に弱く根腐れしやすいので、水のやり過ぎは禁物
3、生育適温は20℃程度、寒さにも強いので屋外で管理が可能
4、肥料は与え過ぎに注意し、緩効性肥料を植え付け時に混ぜ込むだけでOK
5、ユーカリは3〜5月と9〜10月の年2回剪定する
6、2~3年に1回を目安に4月~5月の生育期に、一回り大きい鉢に植え替える
【ユーカリのよくあるトラブルと対処法】
1、水のやり過ぎによる根腐れに注意する
2、根腐れの対処法は、鉢を入れ替えて土の環境を変えること
3、成長期による根詰まりに注意する
4、根詰まりの対処法はユーカリを1つ上の大きい鉢に植え替えること
5、日光の当たりすぎによる葉焼けに注意する
6、葉焼けの対処法は、直射日光を避けて遮光すること
以上がユーカリの育て方に関するポイントになります。
基本的にユーカリを室内で育てる上で注意することは日当たりと風通しになります。
ユーカリは直射日光を好むため、屋外でも日陰の場合はひょろひょろになる恐れがあります。鉢植えの場合は、室内でも直射日光に当たる場所に移動させて管理することが重要です。
また部屋を密閉せず、窓やドアを開けて空気の流れをつくりましょう。風通しが良くなり、土がよく乾きやすくなります。そして湿気がこもりやすい日は、室内にサーキュレーターや扇風機を設置して、空気が停滞しないようにすることで室内でも元気にユーカリを育てることが出来ます。
ひとたびユーカリの育て方を覚えてしまえば、翌年もユーカリが立派に成長していく姿を見ることができますし、他の観葉植物にも活かすことができます。
室内でユーカリを育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。