【重要】アジサイの剪定方法【間違った剪定はお花が咲かない!?正しい剪定時期と位置を覚えよう!!】

2024年5月4日
アジサイが大きくなったので剪定をしたのですが、アジサイのお花が咲かなくなってしまいました…アジサイの正しい剪定方法、剪定時期や剪定する位置など詳しく教えて。

今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
 

この記事では『アジサイの剪定方法』ということで、アジサイに必要な剪定方法や剪定時期、また剪定をしないとどうなってしまうのか?などアジサイの剪定にまつわるエピソードなどを解説していきます。

記事の内容を理解・実践してもらうと、アジサイの剪定に必要な知識や剪定方法が分かるようになり、アジサイの樹形をあなた好みの樹形に仕立てることが出来ます。
 

私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
 

最初にいっておくと、アジサイの剪定を覚える上で一番大切なポイントは剪定する時期です。

基本的にアジサイは8月に入ってしまうと、翌年開花するための花芽ができてしまいます。間違った剪定によって花芽を切り落とすと翌年は開花しなくなります。アジサイのお花が咲かないという原因のほとんどが剪定する時期を間違っているからです。

アジサイの綺麗な樹形を整えるためにも定期的な剪定は必要ですが、正しい剪定時期と剪定場所を理解した上で剪定を行い、アジサイの生長をしっかり管理しましょう。

『剪定してからアジサイのお花が咲かなくなった』『アジサイの大きさを自分好みの大きさにしたい』とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。

Contents


なぜ剪定が必要なのか?

そもそもアジサイってなぜ剪定が必要なのでしょうか?

基本的にアジサイは生育が旺盛で、剪定をせずに放置していると、どんどん背丈が高くなります。大きくなりすぎるとお花のつきも悪くなるので定期的な剪定は必要不可欠です。

まずはアジサイの剪定方法を見ていく前に、剪定が必要な理由についてしっかり把握してみましょう。

新芽の生長を促すため

アジサイは花後に剪定をすると、翌年の花を咲かせるための体力を温存させることができます。

アジサイは5月~7月の梅雨時にお花を咲かせ、そのままにしておくとやがて実がなり、秋ごろに種を付けます。実や種を作るとアジサイは体力を消耗し、翌年に咲かせる花芽を作る準備ができなくなってしまうのです。

夏ごろにアジサイの葉の付け根を見ると、脇芽という小さなふくらみができています。この脇芽が夏の間に伸びて枝になり、秋になってその先に花芽が付くのがアジサイの特徴です。

ただし、秋の時点で脇芽が十分に伸びていないと、花芽は付きません。

お花が咲き終わったらすぐに剪定して摘み取っておくと、実や種を作れなくなった分、脇芽に栄養を回せるようになります。その結果脇芽が十分に生長して花芽ができ、翌年に花が咲きやすくなるのです。

病害虫の被害を防ぐため

アジサイは生長スピードが早いため、放置するとあっという間に葉や枝が伸び放題になります。そうなると風通しや日当たりが悪くなり、病害虫が発生しやすくなって、最終的に枯れてしまうことがあります。

しかし、枝が茂りすぎた部分を空かすように剪定することで、日当たりや風通しを改善することができます。

アジサイは湿気が多いと発症しやすい「うどんこ病」や「炭疽病」といった、カビが原因の病気にかかりやすいですが、これらの病害虫を予防するには風通しをよくして日光を当てることで予防できます。そのためには、定期的な剪定が重要な役割を果たすのです。

株を仕立て直すため

アジサイに行う通常の剪定では、どうしても全体がだんだんと大きくなる傾向があります。

またアジサイは枝を部分的に強く切り戻しても、芽が出ず枯れてしまうことが多く、樹形が乱れがちです。そのため低い位置で全体を強く切り戻すことで、大きな株をコンパクトに仕立て直すことができます。

この樹姿が大きく変わるほど切る剪定のことを強剪定と言います。

花後すぐに、地面から伸びている株の半分ほどを強剪定すると夏から秋に新しい茎が伸びます。翌年にはまだ花が咲かないことがありますので、剪定せずに残しておいて花が咲く枝を作っていきましょう。

アジサイの剪定時期

アジサイの剪定時期はお花が終わる7月中旬までには剪定を済ませるようにしましょう。

なぜ7月中旬までに剪定を済ませる必要があるのかというと、アジサイの来年の花芽が形成されるのが気温が下がりだす秋頃だからです。秋以降に深く剪定をしてしまうと、来年の花芽を切ってしまう可能性があります。

特に鉢植えのアジサイは少ない土の中で生きているので、終わった花をいつまでもつけておくより、早めに剪定して株をすっきりと風通し良くした方が、次の年の花のためにエネルギーがいきやすくなります。

また混み合った枝の剪定は葉を落とした12月〜3月までの時期に行うのがおすすめです。この時期は紫陽花が生長を止めている時期のため、枯れ枝を落としてもダメージが蓄積しにくいとされています。

新芽がついていないスカスカの枯れ枝や、木のように硬くなってしまった枝などを見つけて、根本から剪定します。

アジサイの剪定位置

アジサイを剪定するときに気をつけたいのが、剪定位置です。

簡単にいうと枝の先端を切り落とすだけです。アジサイのお花は枝の先端に付いているので、自動的に花も摘むことができます。

ただし注意する点が一つあります。枝の脇芽を確認して脇芽の少し上で切るということです。花芽は脇芽が伸びた先に付くので、脇芽を残すことで翌年も花を咲かせられます。

アジサイの枝には両側に葉が付いている節目があり、葉の付け根部分にある丸いふくらみが脇芽です。枝には複数の節目に脇芽が付いていますが、正直なところどの脇芽の上で切っても構いません。なるべく大きな脇芽の上で切ると花が咲きやすいですが、小さな脇芽でも咲く可能性はあります。

剪定する位置は、脇芽の1cmほど上の位置でカットするようにしましょう。アジサイの芽は乾燥に弱いため、ギリギリの位置で枝を切ると枯れてしまう恐れがあるからです。

アジサイ(花後)の剪定方法

アジサイの剪定は、2〜3節目をカットするというのが基本です。その理由は、その位置から生える花芽は育ちやすく、樹高も整えやすいとされているためです。

ただし、ご家庭の環境に合わせてアジサイの大きさを維持したいのか、現在よりもコンパクトにしたいのかによって剪定する位置も変わってきます。

ここでは目的に合わせたアジサイの剪定方法についてお伝えします。

大きさを維持したい場合

アジサイの大きさを維持したい場合には2~3節目で切りましょう。ただし2~3節目で剪定を繰り返していると、アジサイは年々大きくなってしまいます。

アジサイのお花は花芽の位置ではなく、花芽が付いた枝がさらに伸びた先に咲くので、2~3節目の位置はどんどん高くなります。この2~3節目で剪定すると良いといわれるのは、その位置にある脇芽が大きく生長する確率が高いからです。

アジサイは頂芽優勢(ちょうがゆうせい)といって、枝の先端にある芽ほど優先的に栄養が送られるようになっています。ある程度生長してから先端の脇芽を切ると、その枝には花芽が付かなくなるリスクがあるのです。

そのため植えたばかりで大きく生長させたい場合や、大きくなってもたくさん花を咲かせることを優先したい場合には、2~3節目で切る方法が適切です。

ただ、花後すぐの段階なら2~3節目の芽もそこまで生長していません。もっと下の脇芽の位置でカットしても、カットしたところの芽が先端になって生長し、その後花芽を付けてくれます。

コンパクトにしたい場合

アジサイを現在の大きさよりもコンパクトに楽しみたい方は、2〜3節目で切るのではなく、さらに下の位置の節で切りましょう。品種にもよりますが、アジサイは1年で30cm〜50cmくらい生長します。アジサイの生育旺盛ぶりには驚きですよね。

したがって剪定する位置というのは、下の方の節目でカットしたとしても、30〜50cmくらい伸びた先にお花を咲かせることになります。

また、お花が咲かなかった枝も咲いた枝と同じ方法で切ってかまいません。

咲かなかった枝が翌年咲く可能性が高いのは、花を咲かせるための体力を使わなかったからです。すでに翌年の花芽ができてるというわけではないので、切っても花が咲かなくなることはありません。長く伸びていてほかの枝とバランスが悪くなるのであれば、高さを合わせて脇芽の上で切っておきましょう。

脇芽を残せばその芽が伸びて花芽が付きますし、体力がある分今年咲いた枝よりも咲く確率が高いことに変わりありません。

花が咲いているかどうかはあまり気にせず、すべての枝の高さをそろえるように脇芽を確認しながら切っていきましょう。

アジサイ(冬)の剪定方法

アジサイの剪定には、葉を落とした12月頃〜3月までの時期に行う作業もあります。この時期の剪定では花芽を切らないように注意をしながら、枯れた枝や葉などを整理するのが基本的な目的です。

古くなった枝を順次切っていくことで若い枝が育ち、株全体を若々しく保つことにもなるので、覚えておくようにしましょう。

花がらをカットする

アジサイのお花は自然に落ちることがないので、花後に剪定をしていなければ枯れたまま枝に残っています。
落葉期にはお花の下にある節目から枝が伸びて花芽ができているので、花芽が付いている枝の上で切りましょう。

古葉や落ち葉を取り除く

散らずに残っている葉も取り除いていきましょう。葉は手で枝元方向に引っ張れば簡単に取れます。

枝の先端には花芽が付いているので、芽を落としてしまわないよう優しく取ります。

株元に積もっている落ち葉も取り除いて、スッキリさせておきましょう。株元に新芽が出ている場合は日が当たって生育がよくなり、風通しがよくなって病害虫予防にもなります。

不要な枝を切る

枯れてしまった枝は残しておいても回復しないので、切り落としておきましょう。

見た目が白くなり乾燥している枝は枯れている可能性が高いです。枝が枯れているかどうかは、手に持って曲げてみるとわかります。枯れた枝は水分がなくなっているため弾力がなく、簡単に折ることができます。

芽の付いていない弱々しい枝、全体のシルエットからはみ出している枝、ほかの枝と接近して混み合っている枝、花後の剪定で切ったときに長く残し過ぎた部分など見栄えの悪い枝も切っておきましょう。

剪定後の管理と注意点

アジサイのお花を楽しむために剪定した後の管理方法も非常に重要になってきます。せっかく正しい剪定方法でアジサイを剪定できたとしても、その後の管理方法によってはお花が咲かなくなる場合もあります。

ここではアジサイのお花をしっかり咲かせるための剪定後の管理や日々のお手入れの注意点などをお伝えします。

剪定後に植え替えをする

購入したアジサイを鉢植えのままで育てていきたい場合、剪定をしたらすぐに植え替えをしましょう。

お店に売られているときのアジサイは可能な限り小さな鉢で管理されていることが多いので、根がいっぱいに張っている状態です。そのままの状態が続くと根の先端が土からはみ出し、水の吸収率が悪くなる根詰まりが起こりやすいです。

根詰まりを起こすと紫陽花は夏の暑さを乗り切れず、枯れてしまう恐れがあります。

そのため、大きな鉢に植え替えをして根が伸びるスペースを確保する必要があります。アジサイは根も生長が早いので、鉢植えなら2回りほど大きな鉢に植え替えるのがおすすめです。

またアジサイを植えるときの土は、水はけのよいものを使用するようにしましょう。
アジサイ専用の培養土などアジサイを育てる上で最適なバランスに配合された培養土が販売されていますので、そちらを利用すると簡単に生長を促すことができます。

関連記事【必見】アジサイの植え替え方法【失敗しない育て方のコツは植え替え時期が重要だった!?】

肥料は花後と冬に与える

肥料を与える場合は、剪定と同じ花後の7月頃と、落葉した12月~2月頃のタイミングが最適です。

花後はお花を咲かせて消耗した体力を回復させるため、冬は春に芽を生長させる体力を蓄えるために与えます。
花後には素早く吸収できる液体肥料、冬には効果が長く続く固形の緩効性肥料がおすすめです。

アジサイは土壌の性質によってお花の色が変わりますが、肥料の成分バランスが適していないと花の色が悪くなってしまうことがあります。

アジサイの色ごとに最適にブレンドされた肥料が販売されていますので、そちらを利用してアジサイのお花の色を保つようにしましょう。

関連記事【人気】アジサイの育て方【鉢植えが長持ちするコツや最適な置き場所など徹底解説!!】

まとめ:正しい剪定と管理でアジサイのお花を咲かせよう!!

というわけで、【重要】アジサイの剪定方法【間違った剪定はお花が咲かない!?正しい剪定時期と位置を覚えよう!!】を書いてきました。

この記事で解説した『アジサイの剪定方法』を実践してもらうと、アジサイの樹形をあなた好みの樹形に仕立てることが出来ます。

もう1度確認しましょう。

【なぜ剪定が必要なのか?】
1、新芽の生長を促すため
2、病害虫の被害を防ぐため
3、株を仕立て直すため

【アジサイの剪定時期】
1、来年の花芽を切り落とさないように7月中旬までに剪定を済ませる
2、混み合った枝の剪定は葉を落とした12月〜3月までの時期に行う

【アジサイの剪定位置】
1、枝の脇芽を確認して脇芽の1㎝上で切る
2、脇芽の位置を気にせず剪定を行うと新芽が出づらくなる

【アジサイ(花後)の剪定方法】
1、大きさを維持したい場合は、2~3節目で切る
2、コンパクトにしたい場合は、2〜3節よりも下の位置で切る

【アジサイ(冬)の剪定方法】
1、枯れた花をカットする
2、古葉や落ち葉を取り除く
3、不要な枝を切る

【剪定後の管理と注意点】
1、
剪定後に植え替えをする
2、肥料は花後と冬に与える

以上がアジサイの剪定に関するポイントになります。

基本的に注意することはアジサイの剪定時期です。

アジサイの綺麗な樹形を整えるためにも定期的な剪定は必要ですが、正しい剪定時期と剪定場所を理解した上で剪定を行い、アジサイの生長をしっかり管理しましょう。

ひとたびアジサイの剪定を覚えてしまえば、翌年もアジサイが立派に生長していく姿を見ることができますし、他の植物にも活かすことができます。

アジサイを剪定することはをガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。