お庭でミモザを育てているんだけど、剪定を行ってからミモザのお花が急に咲かなくなりました。肥料やお水を与えてもなかなか咲かないので困っています。ミモザの正しい剪定について教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『ミモザの剪定方法』ということで、ミモザを育てる上で必要な剪定方法、またミモザを剪定する際の注意点などミモザの剪定にまつわるエピソードを解説していきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、ミモザに必要な剪定方法や剪定時期が分かるようになり、お気に入りのミモザが枯れることなく、あなたのお庭を明るく彩るのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、ミモザを育てる上で注意すべき点は剪定です。
ミモザは成長が早く大きくなりやすいため、定期的な剪定が欠かせません。
根が浅いという特徴もあり、剪定をしていないと台風などのときに強風にあおられて倒れることもあります。
ただし、剪定の方法を間違えると花が咲かなくなってしまうことがあります。毎年ミモザのかわいらしい花を楽しむためには、正しい剪定方法を覚えておきましょう。
「ミモザが思ったより大きくなって困っている」「ミモザのお花が咲かなくなってしまった」とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
なぜ剪定が必要なのか?
ミモザにとって剪定とは、ただ見た目を美しく整えるだけが目的ではありません。
剪定という作業は、ミモザや他の植物にとって非常に大きな役割を担っているのです。
そもそもミモザはなぜ剪定しなければならないのでしょうか。
剪定する理由は大きく2つあります。詳しくみていきましょう。
倒木の危険がある
ミモザは「ギンヨウアカシア」「フサアカシア」などアカシア属の樹木の総称で、オーストラリアが原産です。
生育が早く、地植えをすると数年で5メートルほどの高さになることもあります。
細い枝がひょろひょろと伸びるので、剪定をしていないと樹形も乱れやすいです。
また、地上部の大きさに対して根の張りが浅いという特徴があり、大きくなりすぎると強風で枝が折れたり幹が根こそぎ倒れたりするおそれがあります。
木は倒れると大きなダメージを受けて枯れてしまうおそれがあるだけでなく、人や物が下敷きになって大きな事故につながる危険もあります。
風の抵抗を軽減するために、剪定で大きさと枝の量を適度に調整しておきましょう。
害虫を防ぐ
剪定をおこなうことで、葉や枝の密集を防ぐことができます。そうすることで、日光がしっかりと大部分にあたり、さらにはミモザの風通しがよくなります。
害虫の多くは湿った暗い場所を好みます。剪定をしないままにしておくと、日光がミモザの下部に十分に当たらず、さらには湿気がこもるため、害虫が発生しやすくなってしまうのです。
ミモザの剪定時期
ミモザを剪定する上で適切な時期について見ていきましょう。
ふさわしい剪定の時期と方法は、樹木ごとに異なります。
きれいに花を咲かせて健康的に育てるためには、ミモザの特性を知った上で適切なタイミングで剪定を行うことが大切なのです。
7月までに剪定を済ませる
翌年に花を咲かせたいなら、剪定は花が咲き終わった4月下旬~5月頃が最適です。遅くとも7月までに済ませておきましょう。
ミモザは3月~4月頃に開花し、花が終わるとすぐに来年に開花する花の芽を作り始めます。花の芽ができた枝を剪定で切り落としてしまうと、翌年に花が咲かなくなるおそれがあるのです。
ミモザは花が散ってから花の芽を作り始めるのがとても早いので、花がすべて散るのを待つのではなく、咲き切ったら早めに剪定をしてしまいましょう。
ミモザの剪定方法
ミモザの剪定方法には「芯止め」「間引き」の2種類があります。
正しいお手入れ方法について学び、上手に育てるコツを学んでいきましょう。
芯止めで大きさを調節する
芯止めは、主幹の頂点部分を切り落としてしまう剪定方法です。
木は頂点部分が伸びるため、そこを切り落とすとそれから上に幹が伸びなくなります。ミモザが高く成長しすぎないように制限することができるのです。
また、ある程度の高さに育ったミモザを芯止めすることで、高さに対して幹が太い樹形に仕立てることもできます。
基本的には理想の高さの位置で幹を切ればよいですが、幹に元気な葉の付いた枝が残るように、切る位置を調節しましょう。葉がなくなると、光合成ができなくなって枯れてしまいます。
また、幹を切った大きな切り口には雑菌が入りやすいので、癒合剤を塗っておきましょう。
間引きで枝を整理する
間引きは、不要な枝を切り落として枝の数を減らす剪定方法です。枝を減らすことで風の抵抗が減り、枝や幹が折れにくくなります。
木の内側の日当たりもよくなって病気や害虫予防になる他、長い枝を切り落とすことで樹形を整えたり全体を小さく仕立て直したりといった効果もあります。
枯れた枝や病気の枝、他の枝と重なったり絡んだりしている枝を、枝分かれしている根元部分で切りましょう。途中で切ると、残った部分が枯れてしまうことがあります。
全体を小さくまとまたい場合は、若くて短い枝を残して古くて長い枝を切り落とします。
間引き剪定でも、すべての枝に葉を残しておくことが大切です。ミモザは新しく芽を出す力が弱いので、葉がなくなった枝は枯れてしまいます。
ミモザの剪定に関する注意点
ミモザを剪定をするにはいくつかポイントを押さえましょう。
間違った剪定をすると木が弱ったり、花が咲かなかったりといったトラブルを招いてしまうのです。ミモザを健康に美しく育てるための剪定のポイントをお伝えします。
強剪定はなるべくしない
強剪定とは、太い枝や多くの枝をバッサリ切り落とすことです。
ミモザは、若木のうちの花後であれば強剪定をしても大丈夫です。
しかし10年ほど経ったミモザになると、強剪定をすると木が剪定の負担に耐え切れずに枯れてしまうことがあります。
数年剪定をしていなかった場合、まとめて一気に剪定することは避けましょう。まずは不要枝を剪定するなどにとどめて風通しを確保します。そして今後の小まめなお手入れを心掛けることが大切です。
ミモザの剪定を数年怠ってしまった場合には、専門業者に依頼するのも一つの方法です。
剪定時期を守る
ミモザの剪定で最も気をつけるべきことはやはり「時期」です。
花芽ができたあとに剪定してしまうと、翌年に花が咲かなくなってしまいます。
また、真夏や真冬に剪定してしまうと木が負担に耐え切れずに枯れてしまう可能性があります。
より健康的な花を翌年以降も付けるために、剪定時期は守るようにしましょう。
ミモザの育成でよくあるトラブル
最後にミモザを育てていてよく起こるトラブルをご紹介します。
あらかじめ知っておけば、事前に防いだり、すぐに適切に対処することができます。以下の3つを確認しておきましょう。
強風で傾いてしまう
ミモザは幹が細いので、強い風が吹くと傾いてしまうことがあります。自分で傾き直しをするのが不安であれば、遠慮なく造園業者や植木屋に依頼した方が安心です。
ひとまずこれ以上傾かないように自分で応急措置をする場合には、次のような方法があります。
- 木の上部が重くなっていたら、軽く剪定する
- ロープでフェンスや柱とくくりつけておく
- 根が見ていたら、土をかぶせておく
- 仮の支柱をたてておく
ロ―プや、支柱に使える竹・丸太はホームセンターで入手することができます。
大切なミモザを強風からしっかり守りましょう。
葉っぱが大量に落ちた
鉢植えでミモザを育てている場合、根詰まりを起こしていることが考えられます。
根詰まりとは木が成長して、植木鉢の中が伸びた根っこでいっぱいになった状態を指します。
こうなるとうまく根から水分を吸収できずに乾燥してしまったり、根が腐ってしまったりして、葉をたくさん落とすことがあります。大きな鉢に植え替えてあげましょう。
花が咲かなくなった
花が咲かない原因は、剪定の時期が適切でなかったか、まだ花が咲く年数ではない場合が考えられます。
ミモザは、花が終わるとすぐに来年の花の芽ができ始めます。花の芽がついた枝を剪定で切り落としてしまうと、翌年に花が咲かなくなってしまうことがあるのです。
また、苗を植えてからすぐの場合には、まだ花をつけません。ミモザが開花するのは苗を植えてから1~3年後なので、もう少し気長に待ってみてくださいね。
害虫による被害
ミモザの栽培で気をつけなければいけない害虫は、カイガラムシです。白と茶色の見た目をしている小さな虫で、ミモザの葉の裏に寄生して樹液を吸います。カイガラムシの排泄物が葉につくと、ミモザは「すす病」という葉がカビで黒くなる病気に感染してしまいます。
カイガラムシは薬剤で駆除し、すす病に感染してしまった木は水で洗いながらティッシュや歯ブラシでこすりましょう。
まとめ:こまめな剪定で毎年ミモザのお花を楽しもう
というわけで、【重要】ミモザの剪定方法【失敗しないミモザの剪定は花が咲いた後に〇〇すること!!】を書いてきました。
この記事で解説した『ミモザの剪定方法』を実践してもらうと、ミモザのお花を毎年楽しむことができるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【なぜ剪定が必要なのか?】
1、大きくなりすぎると強風で根こそぎ倒れるから
2、ミモザの風通しを良くし、害虫の発生を防ぐため
【ミモザの剪定時期】
1、剪定は花が咲き終わった4月下旬~5月頃が最適
2、間違って花芽を切らないために、咲き切ったら早めに剪定する
【ミモザの剪定方法】
1、芯止めで大きさを調節する
2、芯止めすることで、高さに対して幹が太い樹形に仕立てることもできる
3、間引きで枝を整理する
4、間引きすることで、風の抵抗が減り、枝や幹が折れにくくなる
【ミモザの剪定に関する注意点】
1、年数が経ったミモザは強剪定は避けること
2、間違って花芽を剪定しないように、剪定時期をしっかり守ること
【ミモザの育成でよくあるトラブル】
1、ミモザは幹が細いので、強い風が吹くと傾いてしまう
2、根詰まりを起こして、葉っぱが大量に落ちる
3、間違って花芽を剪定してお花が咲かなくなる
4、害虫による被害で生育不良になる
以上がミモザの剪定に関するポイントになります。
基本的に注意することは剪定時期になります。
具体的な剪定時期がわからない方や初めて剪定に挑戦する方は、花が咲き切ったらすぐに剪定する方法が一番安全です。間違って翌年咲く花芽を切り落としてしまわないためにも剪定時期は守りましょう。
ひとたびミモザの剪定を覚えてしまえば、翌年もミモザが立派にお花を咲かせる姿を見ることができますし、他の観葉植物や樹木にも活かすことができます。
ミモザを育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。