アネモネを育てているんだけど、たくさん葉っぱがあるんだけど、肝心のお花があまり咲きません…アネモネのお花を咲かせる方法と元気に育てる管理の仕方について教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『アネモネの育て方』ということで、アネモネのお花を咲かせる上で必要な育て方、また来年も綺麗なお花を咲かせるための管理方法もお伝えしていきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、アネモネのお花を確実に咲かせるために必要な必要な育て方や球根の管理方法が分かるようになり、ご自宅のアネモネが優雅に咲き誇ってくれるのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、アネモネのお花を確実に咲かせる上で注意すべき点は『冬の寒さ』です。
アネモネは球根植物です。これは球根植物全般に当てはまることですが、アネモネは冬の時期に5℃以下の気温の状況下で生育をしないとお花が咲きません。春になり暖かくなってもアネモネのお花がなかなか咲かない原因はほぼこの冬の寒さを経験していない可能性があります。
せっかくのアネモネのお花を確実に咲かせるために、正しい管理方法を覚えておきましょう。
「アネモネのお花がなかなか咲かない」「アネモネを来年も咲かせるための球根の管理方法がわからない」とお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
アネモネってどんな植物?
アネモネは、春の到来を告げる象徴として世界中で親しまれています。丈夫で育てやすいため、園芸初心者にもおすすめの花です。暖かくなると一斉に花が咲き始め、その美しい姿を楽しむことができます。
品種が豊富
アネモネの品種は、100品種以上あり、毎年のように新しい品種ができています。
赤、ピンク、白、紫、青、複色など、さまざまな色合いの花があり、一重、八重、半八重などの異なる形で咲きます。
以前は、発色のよい色が中心でしたが、最近はパステル系の複色系の品種もあり、花のサイズも大輪のものから小輪のものまで豊富に揃います。また、草丈も15cmほどのものから50cmに達するものまでさまざまです。
園芸用以外に、切り花としても春を代表する球根花です。
実は〇〇じゃない
アネモネは華やかな花ですが、花びらと思われる部分は実際には萼(がく)です。
本物の花びらは存在せず、萼が花びらの役割を果たしています。
アネモネの開花時期は2月から5月にかけての穏やかな季節で、寒い冬の間に芽を出し、春になると花が咲きます。花が終わると地上部が枯れますが、球根だけで夏を越し、再び涼しくなると新しい芽が出てきます。
アネモネの植え付け
アネモネの球根は夏ごろから園芸店で販売されます。アネモネは球根から芽が出た状態のポット苗としても12月~2月頃に流通します。葉に傷みがなく虫や病気のないものを選んでください。
球根の植え付け
アネモネは球根からでも簡単に育てることができます。植え付けの適期は10〜12月です。気温が高すぎると球根が腐ってしまうことがあるため、15℃以下になった頃を目安に植え付けを行います。
球根を植える際には、とがった部分を下にして、土をかぶせる際に深く埋めすぎないように注意します。鉢植えの場合は1cm、地植えの場合は3cmほど覆土しておくとよいでしょう。霜の降りやすい地域では、より深く埋めて凍結を防ぎます。
アネモネは根がよく伸びるため、鉢植えにする場合は深めの鉢を用意します。地植えの場合は、隣の株と15cm以上の間隔を開けて植え付けします。また、球根を包む際には水を含ませたミズゴケを使用する方法もあります。この場合、すぐに水やりをせずにしばらく置いておき、4日から5日後に水を与えます。
球根をしっかりと発芽させるためには、上下を間違えないことが重要です。上下がわかりにくい場合は横向きにして植え付けます。寒冷地で地植えする場合は、霜や凍結を防ぐためにマルチングを行います。球根の吸水処理では、急激に水を与えないように注意し、じっくりと時間をかけて水を含ませるようにします。
苗の植え付け
アネモネの苗は、通常12月頃から販売され始めます。花芽が多くついている苗を選ぶと、より多くの花を楽しむことができますのでおすすめです。また、葉がしっかりとしており、下部の葉が枯れていないかを確認しましょう。葉の裏側も確認して、虫害がないかをチェックします。
苗を購入したら、できるだけ早く植え付けましょう。ポットから苗を取り出す際には、根を傷つけないように注意してください。また、傷んだ葉や花がらがあれば、この時点で取り除いてください。
土づくり
アネモネは水はけと水もちがともに良い土壌を好みます。鉢植えの場合、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたり、赤玉土、腐葉土、ピートモスを5:3:2で混ぜた土壌が適しています。
また、緩効性肥料マグァンプKが配合されたハイポネックス培養土は、元肥として使うことができます。この培養土を使えば、手軽に栽培を始めることができますので、興味がある方はぜひ利用してみてください。
アネモネのお手入れ
ここからは、アネモネを定植した後の、日々のお手入れについてご紹介します。植物は手をかけた分だけ応えてくれるので、たくさんの花が咲いた時の喜びもひとしおです。
水やり
鉢植えの場合、初夏まで土の表面が乾いたら水をたっぷり与えます。花に水がかかると傷んでしまうことがあるので、株元にゆっくりと水を注ぐのがコツです。
冬場は乾燥しやすいため、土の状態をこまめに確認しましょう。冬だからと言って水やりを怠ると、春に花芽がつかない原因になりますので、冬場でもしっかり水やりを行いましょう。春になり開花時期が訪れると、水切れに気をつけます。
地植えの場合は、ほとんど水やりせずに自然の雨に任せます。ただし、乾燥した日が続くときは、土の状態を確認しながら水を与えます。地上部が枯れはじめたら水やりをストップします。
植えっぱなしにする場合は、土を乾燥させたまま夏越しさせます。休眠期に水やりしすぎると、負担がかかる可能性があるので注意が必要です。
夏の大雨にさらされないよう、置き場所にも注意しましょう。10月になり涼しくなると、水やりを再開しましょう。
関連記事→【重要】水やりの基本をマスターせよ【植物が枯れてしまう原因は9割が水やりだった!!】
肥料
アネモネは花をつけるために多くの栄養を必要とします。適切なタイミングで適切な量の肥料を与えることが重要です。鉢植えの場合、植えつけ時には緩効性肥料を元肥として混ぜておくと良いでしょう。
葉が生えはじめた段階で、約2カ月間肥料効果が持続する緩効性肥料を与えます。つぼみがつきはじめたら、液体肥料を2週間に1度の頻度で与えましょう。
関連記事→【重要】肥料の基本をマスターせよ【たくさんのお花を咲かせる肥料のポイント教えます】
日当たり
アネモネは、十分な日光と風通し、良好な水はけのある場所で育てることが重要です。成長段階に合わせて環境を整えてください。アネモネは5℃以下の気温が続かないと花が咲かないため、寒い時期でも屋外で管理するのがおすすめです。
アネモネは日光を好むため、植えつけ後から初夏の花が枯れるまで日当たりのよい場所で栽培します。休眠期(5〜10月)に入ると、日陰へ移動させます。10月以降は再び日当たりのよい場所へ移し、手入れをします。
アネモネの花が終わると地上部が枯れ、休眠期に入ります。そのままの場所に植えっぱなしでも夏越しは可能ですが、過湿には注意が必要です。鉢植えの場合は、雨の当たらない日陰へ移動させましょう。
アネモネを育てる際の注意点
アネモネは比較的育てやすい球根花ですが、春からは病害虫が発生しやすいので、早期発見が発生を広げないポイントです。
病害虫
アネモネを育てる上で、アブラムシやうどんこ病に対する対策が重要です。これらの問題は湿気のこもりやすい環境で発生しやすいため、植えつけ場所の選定も考慮しましょう。
新芽が出る10月から5月にかけて、アブラムシの発生が見られることがあります。発見したら迅速に指で取り除きましょう。
うどんこ病に感染すると、葉が白く粉をかぶったようになります。この病気は急速に広がるため、発見したらすぐに切り取りましょう。さらに、薬剤を用いて予防することも推奨されます。
休眠後のお手入れ
アネモネは多年草であり、適切な管理をすることで次のシーズンも花を楽しむことができます。花後の手入れや休眠期の管理に注意し、翌年以降も美しい花を咲かせましょう。
気温が25℃以上になるとアネモネは生育が停止し、休眠期に入ります。この期間には地上部が枯れ、球根だけが残ります。アネモネの休眠期の管理方法は「掘り上げる」か「植えっぱなし」の2つです。
もし「雨で過湿になる可能性がある」や「来年は異なる場所に移動したい」といった場合は、球根を掘り上げて保管します。
球根の掘り上げ作業は、晴れていて土が乾いている状況で行います。梅雨の前に高温多湿な状態になる前に行うことが望ましいです。地上部が完全に枯れるまで待つ必要はなく、葉が3分の1から3分の2ほど枯れた段階で掘り上げます。
掘り上げた球根から土をきれいに落とし、カビの発生を防ぎましょう。
そして風通しの良い日陰で球根を乾燥させます。その後、ネットに入れて吊るし、風通しの良い場所で保管します。
秋になったら保管していた球根を植えつけます。乾燥させた球根は一回り小さくなっていますが、給水処理をすれば元の大きさに戻りますので十分に水を与えましょう。
まとめ:冬の寒さを乗り越えアネモネのお花を咲かせよう
というわけで、【人気】アネモネの育て方【春の訪れを告げるお花を確実に咲かせるコツとは!?】を書いてきました。
この記事で解説した『アネモネの育て方』を実践してもらうと、アネモネのお花を確実に咲かせることができるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【アネモネってどんな植物?】
1、品種が豊富で来年も楽しめる球根花
2、花びらは存在せず、萼(がく)が花びらの役割を果たしている
3、寒い冬の間に芽を出し、春になると花が咲く
【アネモネの植え付け】
1、球根の植え付け適期は10〜12月
2、球根は深めの鉢を用意し、1cmほど土で覆うくらいの高さで植え付ける
3、ポット苗は葉がしっかりとしており、下部の葉が枯れてないものを選ぶ
4、アネモネは水はけと水もちがともに良い土壌を好む
【アネモネのお手入れ】
1、冬は乾燥に注意し、土の状態を確認しながら水やりをする
2、葉が生えたら緩効性肥料を与え、つぼみがついたら液体肥料を2週間に1度の頻度で与える
3、アネモネは5℃以下の気温が続かないと花が咲かないため、冬でも屋外で管理する
【アネモネを育てる際の注意点】
1、アブラムシが発生すると、栄養分を吸収したり、ウイルスを媒介するので早期に駆除する
2、アネモネの休眠期の管理方法は「掘り上げる」か「植えっぱなし」の2つ
3、葉が3分の1から3分の2ほど枯れた段階で掘り上げ、風通しの良い日陰で球根を乾燥させる
以上がアネモネの育て方に関するポイントになります。
基本的に注意することは冬の寒さをしっかり経験することと冬場の水やりです。
ひとたびアネモネの育て方を覚えてしまえば、アネモネのお花を確実に咲かせることができますし、他の球根花や花苗にも活かすことができます。
アネモネを育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術を身につけることができますので、がんばって身につけましょう。