【重要】ラベンダーの植え替え【植え替えの注意点と植え替え時期を徹底解説!!】

2024年6月27日
ラベンダーの株に元気がなく植え替えをしようと思いますが、植え替えの時期が分かりません…ラベンダーの株を来年も元気にする植え替えの方法を教えて

今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
 

この記事では『ラベンダーの植え替え方法』ということでラベンダーを上手に育てるために必要不可欠な植え替え方法や来年もお花を楽しむために必要な管理方法について解説していきます。

記事の内容を理解・実践してもらうと、ラベンダーの植え替え方法が分かるようになり、来年以降もラベンダーのお花や香りを楽しむことが出来ます。
 

私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類以上の植物を育ててきました。
 

最初にいっておくと、ラベンダーを上手に育てていくためには定期的な植え替えが必要不可欠です。逆に植え替えを長期間行っていないと、ラベンダーの生育状態に悪影響を及ぼします。また肥料だけ与えるとひょろひょろと間延びしたように延びていき貧弱な株姿になってしまう恐れがあります。

貧弱な株姿になってしまわないように、ラベンダーのお花や香りを最大限楽しむための植え替え方法をお伝えします。正しい植え替え方法を実践すれば、確実にラベンダーを来年以降も元気な状態で育てることが出来ますよ。

『ラベンダーがひょろひょろで元気がない』『ラベンダーの植え替え方法が全くわからない』とお悩みの方は最後まで記事を読んでみてください。

Contents


なぜ植え替えが必要なのか?

そもそもラベンダーってなぜ植え替えが必要なのでしょうか?

ラベンダーは生長が早い植物になります。どんなに肥料をあげていても、土は次第に劣化して、蓄えることができる栄養分は減っていきます。そして、植物が生長するにつれ、根も生長しやがて窮屈になり根詰まりを起こしてしまいます。

まずはラベンダーの植え替え方法を見ていく前に、植え替えが必要な理由についてしっかり把握してみましょう。

根が生長する場所を確保するため

植え替えの一番重要な役割が根詰まりの防止です。

根詰まりとは、植物の根が鉢の中いっぱいに張り巡らして、これ以上根を伸ばすことができない状態のことを指します。

根詰まりを起こすと、次のような症状が発生します。

  • 水分を吸収できなくなる
  • 栄養分を吸収できなくなる
  • 土の中の空間が少ないので必要な酸素を取り込めない

根詰まりを起こしたまま放置すると、最終的には根腐れを起こして枯れてしまいます。

そのため、植え替えは、根の成長スペースを確保するために重要な作業となります。

古い根や腐った根を除去するため

古い根や腐った根は、栄養分や水分を吸収するという根としての役割を果たすことができません。

古い根はゆくゆくは腐っていきますが、腐った根というのは植物にとって悪影響を及ぼします。他の根の成長スペースを無駄に使ったり、菌を繁殖させたりという悪影響があります。

そのため、植え替え時に古い根などを除去することによって、元気な根だけにして健康を維持することが重要です。

劣化した土の栄養分を補給するため

ラベンダーは、土からたくさんの栄養分を吸収することで生長します。

ただし、肥料などを与えても、土の栄養分が最初の頃と同じような状態が永遠に続くことはありません。

そのため、植え替えによって古い土を新しい土に入れ替えてあげる必要があります。

鉢の中の土は、根からの老廃物が溜まっていきます。また、菌や害虫がいることもありますので、それらを植え替えによって全て除去することができます。

新しい土に入れ替えることで、土の栄養分を補給するとともに、老廃物や菌をも除去することでラベンダーの生長を維持することができるようになります。

ラベンダーの植え替え時期

ラベンダーの植え替え時期は春(4月〜5月)秋(9月〜10月)です。これは、どの系統のラベンダーにも言えることです。

ラベンダーは夏の暑さや高温多湿の環境が大嫌いです。この特性は、植え替えを行う際にもすごく重要なポイントです。

ラベンダーは一回りほど、大きい鉢に植えるのが基本です。結果、植え替えすると土の量が増えます。土の量が増えると必然的に土は乾きにくくなります。そんな状態で夏を迎えてしまうと、高温多湿の劣悪な環境に拍車がかかってしまいます。

したがって、失敗を避けるのであれば、ラベンダーの植え替えは秋に行うというのが1つの考え方としてオススメします。

たとえば、母の日にイングリッシュラベンダーをもらったとしたら、お花は6月中旬頃まで楽しみましょう。その後は剪定するだけに留めておいて、植え替えは秋まで待つようにしましょう。

フレンチラベンダーの場合

高温多湿が苦手なのはフレンチラベンダーも同じです。しかしフレンチラベンダーであれば、春の植え替えもオススメします。

何故なら、フレンチラベンダーは4月下旬~5月中旬頃にお花が一旦終わります。なので多少お花が残っていても思いきって、ゴールデンウィーク頃に植え替えを行いましょう。そうすることで梅雨が来る前の1ヶ月の間に根が伸びてくれます。同時に株も成長して大きくなります。

つまり暑くなる前に、根をしっかり張らすことがフレンチラベンダーの生長にとって重要なことなのです。

またフレンチラベンダーは5月にお花が一段落しますが、夏まではちらほら咲き続けます。その二番花に関しては、何もしないよりは植え替えした方が、株が大きくなるのでたくさんのお花が咲きます。

わずか1ヶ月の間で一気に生長する姿をぜひ楽しんでみてください。

植え替えに必要な道具

ラベンダーを植え替える前に、以下の道具を準備しておきましょう。予め準備しておくことで、ラベンダーの植え替え作業を効率的に進めることができます。

一回り大きな鉢

ラベンダーを植え替える場合は一回り大きな鉢を用意しましょう。夏の蒸れを避けるならば素焼き鉢がオススメです。

一回り大きな鉢というのは、使用していた鉢より1号か2号大きなものを言います。それ以上大きな鉢に植え替えると、水が残りやすくなり、根腐れの原因になります。直径3cmあたりが1号なので、例えば5号・直径15cmになります。この一つ上のサイズなので6号・直径18cmに植え替えるようにしましょう。

水はけのよい土

多くの植物が弱酸性の土壌を好むのに対し、ラベンダーは弱アルカリ性を好みます。

それは、ラベンダーの原産地である地中海沿岸の土壌が、風化した石灰岩に含まれる炭酸カルシウムが溶け出した弱アルカリ性に近い土壌であることからも推測されます。実際、酸性の土壌では生育不良になってしまう恐れがあります。

鉢植えの場合は、市販されているラベンダー用培養土やハーブ用の土を使用するのがオススメです。

地植えするのであれば、土壌改良をして水はけを良くしておきましょう。元の土に対して堆肥や腐葉土を2割、「パーライト」や小粒の「日向土」と呼ばれる軽石系を1割になるよう混ぜます。またラベンダーはアルカリ性の土を好みますが、日本の土は酸性寄りなので、苦土石灰などを加えて土壌を改良しましょう。

その他の準備物
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石
  • スコップ
  • ハサミ

ラベンダーの植え替え方法

ラベンダーの植え替えは、植え付けと同じく4〜5月頃、または10月頃が適期で、1〜2年に一回行いましょう。ラベンダーの負担を減らすため、植え替えの際にいくつかポイントがありますので植え替え作業とあわせてご紹介します。

ラベンダーを刈り込む

まずはじめ植え替えの3週間前にラベンダーの高さを半分ほどハサミで刈り込んでおきましょう。刈り込む際には間違って新芽を切らないようにしましょう。

新芽を切り落としてしまうと、株全体が枯れ込んでしまいますので注意しましょう。

刈り込む事で根の負担を減らします。ただし、春に植え替えをする場合で、秋に強剪定を行なっている場合には無理に刈り込まなくても大丈夫です。

古い鉢から株を抜く

植え替えるラベンダーを、鉢から優しく取り出します。この時に、強く幹を引っ張ると根が切れて傷んでしまうので、気を付けてください。

鉢を逆さまに向けるように持って、ラベンダーの根鉢が落ちてくるように優しく取り出します。根が張って取り出せない場合は、鉢の縁をトントンと叩いたり、鉢底穴に棒を差し込んで押し出すように取り出したりしてください。

根鉢は崩さない

ラベンダーの株を取り出したら株の土は落とさないようにしましょう。土を落とすと根を傷めてラベンダーの株が弱ってしまうため注意してください。

一回り大きな鉢を用意するのは、根鉢を崩すことなく植え替えをするためです。そうすることでラベンダーの株へのダメージを減らすことができます。

ただし、古い株の根が黒く変色して腐っていたら、その部分だけは切り落としてください。

ラベンダーを入れ、周りに培養土を入れる

用意した一回り大きな鉢の底に網を敷いて、その上に軽石を1〜2cmほど敷きましょう。

その上に、ラベンダーの株の土の表面が鉢の縁から2cmほど余裕があるように調整して土を敷いて、その上に株を置いて、隙間に用土を入れていきます。

ただし、鉢の縁いっぱいまで入れると、水やり時に土がこぼれてしまいます。そのため、鉢の縁が1~2㎝程開くようにウォータースペースを取っておきましょう

土をスコップで入れた後は、細い棒で土を突いて狭い隙間にも土が入るようにします。その後、鉢の縁をトントンと叩いて土をならせば植え替えが完了です。

たっぷりの水を注ぐ

植え替えが終わったら、育てる場所に戻して最後にたっぷり水やりをして完了です。

鉢の隅々まで水が行きわたるように鉢底から水が流れ出るまでしっかり水やりをしていきましょう。大きな鉢の場合はバケツ2杯分を与えるイメージです。

水やりをすると土の中のすき間が埋まり、土のかさが下がってしまうことがあります。水やりで土が減ってしまったら上から足しておきましょう。

庭植えの場合

ラベンダーは酸性土壌を嫌うので、植え付けの1週間前に深さ15〜20cmほど掘り返して、苦土石灰を1平方mあたり100g〜150gほど撒いて中和しましょう。

植え付けの日に株を入れて、隙間に用土を入れて最後に水を与えます。株間は品種にもよりますが40〜50cmほど空けて植えましょう。

傾斜地のような水が流れ出ていく場所に植えると水はけ対策になります。また植える場所を一段高い場所に植えることで水はけが良くなります。

初年度は植え付け直後ということで、根の張りが弱いですが、冬を越して株が大きくなると根も強くなり、開花もしやすくなりますので安心してください。

植え替え後の注意点

ラベンダーの植え替え直後は、土に根が張っていません。そのため、置き場所や日当たりなどに注意してください。

上手に植え替えができても、その後の育て方によっては枯れる恐れがあるためです。植え替え後の注意するポイントをお伝えします。

日当たりに注意

ラベンダーを植え替えた後は、直射日光の当たらない明るい日陰で1〜2週間ほど管理してください。植え替え直後に、直射日光に当てると株自体が弱る恐れがあるため注意が必要です。

2週間ほど管理すると根がしっかり張り、生育が安定していきます。

やりはこまめに

植え付け後の水やりには注意が必要です。基本的にラベンダーの成長(葉が大きくなり始めるなど)が見え始めるまでは極端に乾燥させないように注意しましょう。

植え付けて1~2日後にはあらためて土の様子を確認してみましょう。土の全体に水が行き渡っていれば問題ありません。しかし、鉢の重さが軽く感じるようなら水が足りなかったり、全体に染み込んでいないこともあります。土の水分が足りていないと感じたら再度たっぷりと与えましょう。

その後、基本的には1日おき、更に2日空けてというように、徐々に水やりの間隔をあけていくようにしましょう。

ただ葉が萎れたり、枝先が柔らかくなり、黒くなったら要注意です。水が根からきちんと吸収されていない可能性がありますので、たっぷり水を与えて直射日光の当たらないところにしばらく置いてみましょう。

関連記事【重要】水やりの基本をマスターせよ【植物が枯れてしまう原因は9割が水やりだった!!】

まとめ:正しい植え替えでラベンダーの生長を守ろう

というわけで、【重要】ラベンダーの植え替え【植え替えの注意点と植え替え時期を徹底解説!!】を書いてきました。

この記事で解説した『ラベンダーの植え替え方法』を実践してもらうと、ラベンダーが来年以降も元気に育てることが出来ますよ。

もう1度確認しましょう。

【なぜ植え替えが必要なのか?】
1、根が生長する場所を確保するため
2、古い根や腐った根を除去するため
3、劣化した土の栄養分を補給するため

【ラベンダーの植え替え時期】
1、ラベンダーの植え替え時期は、春(4月〜5月)秋(9月〜10月)
2、フレンチラベンダーは4月下旬~5月中旬頃の植え替えがオススメ

【植え替えに必要な道具】
1、夏の蒸れを避けるならば素焼き鉢がオススメ
2、市販されているラベンダー用培養土やハーブ用の土を使用する

【ラベンダーの植え替え方法】
1、植え替えの3週間前にラベンダーの高さを半分ほどハサミで刈り込む
2、根が傷みやすいので、ゆっくり鉢から取り出す
3、根鉢
を崩さずに植え付ける
4、ラベンダーを入れたら、鉢の縁から2cmほどの高さまで培養土を入れる
5、最後に鉢の隅々まで水が行きわたるよう鉢底から水が流れ出るまで水やりを行う

【植え替え後の注意点】
1、直射日光の当たらない明るい日陰で2週間ほど管理する
2、植え付けの2日後から徐々に水やりの間隔をあけていく

以上がラベンダーの植え替えに関するポイントになります。

ラベンダーの健やかな生育を維持するためにも定期的な植え替えは必要不可欠です。正しい植え替え方法を理解した上で植え替えを行い、ラベンダーの生長をしっかり管理しましょう。

ひとたびラベンダーの植え替えを覚えてしまえば、翌年もラベンダーが立派に生長していく姿を見ることができますし、他の植物にも活かすことができます。

ラベンダーを育てていくことはをガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。