ナギの木ってあんまり聞いたことがないけど、どんな植物なの?またナギの木をお家で育てたい場合の枯れない育て方について教えて。 |
今回はこういったお声に参考になる記事を用意しました。
この記事では『ナギの木の育て方』ということで、ナギの木に必要な育て方や管理方法、また幸せになれる観葉植物の由来などナギの木にまつわるエピソードなどを解説していきます。
記事の内容を理解・実践してもらうと、ナギの木に必要な育て方や管理方法が分かるようになり、ナギの木が枯れることなく、あなたのお家を彩るのにきっと役立ちます。
私は園芸歴10年ほど。
これまで100種類ほど植物を育ててきました。
最初にいっておくと、ナギの木を育てる上で注意すべき点は冬の管理です。ナギの木は寒さが苦手なので、特に北国や冬場は室内管理がおすすめです。
この冬の管理さえ注意していただければ、通年ナギの木を楽しんでいただけます。
ナギの木を育ててみたい方やナギの木の育て方がわからなくてお困りの方は最後まで記事を読んでみてください。
Contents
そもそもナギの木とは?
ところでナギの木って主にどこで見かけることができるかご存知ですか?
答えは神社の境内です。
ではなぜ神社に植えられているのか?そこには神聖な植物だからこその隠された魅力がありました。
まずはナギの木を育てる前にナギの木についてしっかり把握してみましょう。
ナギの木の歴史
古くは平安時代から神の宿る木とされてきたナギの木。災厄をはらうと信じられ、人々の信仰を集めてきました。
現在でも神社の境内などで見かけることが多く、奈良県春日大社のナギ林や和歌山県熊野・速玉大社の御神木としてのナギはとても有名です。熊野信仰と縁の深い樹木であり、各地にある熊野神社で目にすることも多いのではないでしょうか。
春日大社や速玉大社のナギは少なくとも樹齢1000年を超えると言われており、有史以前の古い時代に植栽されたものが定着したとの説があるようです。
平清盛の嫡男・重盛の手植えと伝わる速玉大社のナギは、国の天然記念物にも指定されています。
ナギの木の特徴
基本的暖かい場所に自生しているナギの木は、主に四国や九州、海外では台湾などに分布・自生している植物です。
光沢のある楕円形で葉先が尖った広葉樹のような葉をしていますが、分類上は針葉樹に分類されています。
高さは最大で25mにもなり、雌雄異株です。ナギの花は葉の根本に咲き、雌株の花は小さく見逃しやすく、雄株は薄い黄緑色で細長い花が1箇所にまとまって咲きます。
雌株であれば小さな丸い実がなり、種が採取できます。元々は御神木として神社に多く植えられているナギは、近年では観葉植物としての需要も高まっています。
幸せを呼ぶ理由
植物の多くはいろいろな花言葉がありますが、ナギの木には珍しく花言葉がありません。しかしナギの木は幸せを呼ぶ植物としても知られています。
これは御神木に使われている神聖な植物だからと考えられます。
また、縦方向にある葉脈葉が横に裂けにくいために縁が切れないと繋がり、縁結びや夫婦円満の木としてお守りにもなっています。
さらに苦しみをなぎ払うとして商売繁盛や開運、災難除けのお守りにも使われているようです。現在でも縁結びや開運お守りとして利用されています。
ナギの木に適した栽培環境
ナギは古くから日本列島に広く分布してきた樹木ですから、熱帯性の植物に比べると比較的国内の環境に合った植物です。
とはいえ、日陰や極端に寒い場所などでは栽培に失敗してしまうこともあります。
かくいう私は冬の寒い場所の管理で失敗を繰り返していました。
実際に私が経験した失敗から得たナギの木に適した栽培環境の大切な2つのポイントをお伝えします。
ナギの木は寒さが苦手
ナギの歴史は古く、春日大社にあるものは1000年以上前に植えられたと言われています。そのため日本の気候でもうまく育ちますが、もっとも適した環境は暖かい場所です。
屋外であれば寒い地方は栽培に失敗することもありますが、鉢植えで室内に置くのであれば気温が低い場所でも十分育てることができる環境にできるでしょう。
観葉植物の場合は室内が多いですが、ナギは寒さが苦手なので、特に北国や冬場は室内管理がおすすめです。
また、発芽から2年ほどは成長したものよりも寒さに弱いため、より気を付ける必要があります。
元気に育てるなら日向一択
ナギの木は耐陰性も高く、日陰にもよく耐えることができる植物です。
しかし、日光による光合成が十分でないと、生育に支障をきたすこともあります。
常に日があたる場所である必要はありませんが、できる限り日なたで育てるのがナギの木を丈夫に元気に生育させる秘けつです。
室内で育てる場合も同様に、窓辺などできる限り日のあたる場所を探しておくようにします。どうしても室内の日当たりが悪く、日陰になるのであれば、植物専用のLEDライトを使用するようにしましょう。
ナギの木の日常管理
聖なる木として神聖な存在であるナギの木ですが、特に難しい手入れを必要とする樹木ではありません。
むしろ、手入れいらずで管理が簡単なので、ミニ盆栽や鉢植えでも気軽に楽しむことができます。
ナギの日常的な管理についてまとめてみましょう。
ナギの木の水やり
ナギを庭先など地植えで育てる場合には、特に水やりの必要はありません。
雨水など自然に届く水分で、十分に生育できるからです。しかし、ナギを鉢植えで育てる場合には、適度な水やりが欠かせません。
水やりの方法としては、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与える基本的な方法でOK。
もともと乾燥に強い植物なので、水やり不足よりむしろ与えすぎないように意識するのがよいでしょう。
特に冬場は2~3日に1度程度に水やりを控え、水の与えすぎに十分注意しましょう。
関連記事 【重要】観葉植物の水やりの基本【室内で育てる場合の水やりの頻度やコツをマスターしよう!!】
ナギの木の肥料
植物を栽培するときは必ずしも肥料が必要、というわけではありません。
ナギの木は特に肥料のいらない植物で、そのままでも十分成長します。
それでも肥料を与えたい方は、植え替えのタイミングに合わせて遅効性の肥料を少量与える程度で十分です。遅効性の肥料は成分がゆっくり溶け出すため、根を傷める心配も少なく、効果も長く続きます。
ただ万が一、生長が悪いと感じたならば、3~6月の間に液体肥料を与えましょう。
少し育ちが悪いと感じたときに、成長期である3~6月頃に液肥を、植え替えのときに効果が緩やかで長く続く緩効性肥料を与える程度にしてください。
関連記事→【検証】観葉植物の肥料の使い方【種類や使い方など状況ごとのおすすめな肥料をご紹介します】
ナギの木の剪定
ナギの木は最大まで成長すると25mにもなります。しかしそのまま放置していてもそこまで樹形を乱すことはありません。
そのためあえて剪定しなくても良いですが、大きくなりすぎたと感じたら適期である、4月か8月下旬から9月上旬頃に剪定をしてください。
鉢植えでは地植えほど大きくなることもありませんが、スペース的に気になれば剪定してサイズ調整すると良いでしょう。
ナギの木の植え替え
ナギの木は基本的に植え替えを嫌います。
地植えにしたものを移動させると、なかなか根付きません。大きくなることを想定し、スペースが十分確保できる場所に植え付けましょう。
一方で鉢植えの場合は根詰まりを起こしやすくなっています。1~2年に1回、4~5月に1回り大きな鉢に植え替えましょう。
ナギの木の病害虫
ナギの木は害虫や病気の心配もほとんどない、大変丈夫で育てやすい樹木です。
ごくまれにテッポウムシの幼虫がナギの木の幹の内部に入り込み、食い荒らして木を枯らしてしまうことがある程度です。「テッポウムシ」が一度幹に入り込むと殺虫剤も届かないため、対処法がなくなってしまいます。
とはいえ、テッポウムシの被害はレアケースなので、過度に心配する必要はありません。
病虫害を避けるためには、風通しのよい場所に置くことも重要なポイントになってきます。
ナギの木は閉め切ったジメジメした環境を好まないため、そういった場所はなるべく避けるようにしましょう。
まとめ:冬の寒さに注意して、幸せを呼び込もう!!
というわけで、【簡単】ナギの木の育て方【幸せを呼ぶ観葉植物って本当?初心者でも育てやすいコツを覚えよう】を書いてきました。
この記事で解説した『ナギの木の育て方』を実践してもらうと、ナギの木を通年通して楽しむことができるようになりますよ。
もう1度確認しましょう。
【そもそもナギの木とは?】
1、神社の境内などで見かけることのできる神の宿る木
2、葉っぱが横に裂けにくいため、縁結びや夫婦円満のお守りにもなっている
【ナギの木に適した栽培環境】
1、ナギの木は寒さが苦手
2、元気に育てるなら日向一択
【ナギの木の日常管理】
1、乾燥に強いため、水のやり過ぎに注意する
2、基本的に肥料は与えなくても十分育つ
3、大きいと感じたら4月か8月下旬から9月上旬頃に剪定する
4、鉢植えは根詰まりを起こしやすいので、1~2年に1回、4~5月に1回り大きな鉢に植え替える
5、病虫害を避けるため、風通しのよい場所に置くこと
以上がナギの木の育て方に関するポイントになります。
基本的に注意することは冬の管理と置き場所になります。
冷気が当たる出入口付近や窓のすぐ横は避け、暖かく日当たりのよい場所を選んで置くようにしましょう。
ひとたびナギの木の育て方を覚えてしまえば、翌年もナギの木が立派に成長していく姿を見ることができますし、他の観葉植物にも活かすことができます。
ナギの木を育てることはガーデニングに携わっていく上で、植物を今以上に輝かせることができる大事な技術なので、がんばって身につけましょう。